2018年9月27日 第39号
今季も残りわずかとなったMLSレギュラーシーズン。なんとか2年連続プレーオフ進出に食い込みたいバンクーバー・ホワイトキャップスFCだが、今季5試合を残して黄信号が灯りはじめた。
アースクエイクス選手をかわすホワイトキャップスMFデイビーズ(中央)。9月1日サンノゼ・アースクエイク戦(Photo by Preston Yip)
9月1日
バンクーバー・ホワイトキャップスFC 2―1 サンノゼ・アースクエイクス
9月15日
バンクーバー・ホワイトキャップスFC 1―2 シアトル・サウンダーズFC
9月22日
バンクーバー・ホワイトキャップスFC 1―2 FCダラス
6位以内を賭けたサウンダーズとの一戦での黒星が響く
ホワイトキャップスにとってプレーオフに向けて絶対に負けられない一戦が、9月15日のシアトル・サウンダーズFCとのライバル対決だった。
サウンダーズはわずか1ポイント差でプレーオフ圏内6位にいて、ホワイトキャップスは7位。勝てば順位が入れ替わるカギとなる試合だった。
しかし、ゴール前でのディフェンスのクリアミスによる失点が最後まで大きく響いて惜敗。攻撃陣もサウンダーズを攻めきれなかった。
これで勝ち点を4点差に引き離された。絶対に負けられなかった一戦をホームで迎えるというアドバンテージをもらいながら勝てなかった付けは大きい。ロビンソン監督は、23日のFCダラスとの試合の前に「(残り試合は)全てマストウィンのゲーム」と語った。
しかし、直後のFCダラス戦でも黒星。試合開始から圧倒的にホワイトキャップスが攻めるも、なかなかゴールが決まらない展開の中で、FCダラスがフリーキックやコーナーキックからのセットプレーで効率よく得点した。
ロビンソン監督はディフェンス陣の細かな動きのミスを指摘しながら、「後半はいい動きをしたが前半のミスが最後まで響いた」と振り返った。「残念だけど、まだ終わったわけではない。これからリーグを驚かせる可能性があるチームがあるとすれば、自分たちだと信じている」と残り試合もプレーオフを目指して戦っていくと前を向いた。
2連敗で8位に転落
ホームでの2試合でサウンダーズ、FCダラスに連敗したホワイトキャップスは、勝ち点を伸ばすことができず順位を一つ落として8位となった。
サウンダーズと対戦した8位LAギャラクシーが勝利したためで、8位に転落はしたが6位のサウンダーズとは4ポイント差のままで、かすかな望みをつないでいる。
9位ミネソタ・ユナイテッドFCは勝ち点33と離れているため、8位のホワイトキャップスまでがプレーオフ出場権争いということになる。
ホワイトキャップスは残り5試合。西カンファレンス上位チームと4試合を残している。ここでどこまで食い込んでいけるか。かなり厳しい状況だが、可能性は残されている。
ホワイトキャップスがロビンソン監督を解任
ホワイトキャップスは25日、これまでチームを率いてきたロビンソン監督とアシスタントコーチ2人を解任したと発表した。
今季はここまで低迷し、プレーオフ進出も厳しい状況になっている。
ロビンソン監督は2013年12月に就任。その前2年間はアシスタントコーチとしてチームを支えた。監督は2014年から今年で5シーズン目。2014、15、17年にプレーオフ進出を果たした。
後任はホワイトキャップスアカデミー・テクニカルディレクターのクレイグ・ダルリンプル氏が就任し、残り5試合を率いる。チームは来季に向けて新監督の選定を行っていると発表した。
ホーム残り2試合、今季成長したMFデイビーズをバンクーバーで観戦できる最後のチャンス
今季開幕から急成長を遂げたMFアルフォンソ・デイビーズ(#67)のプレーをバンクーバーで見られるのも残り2試合となった。
今年7月にドイツ・ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンとの契約が成立したデイビーズは今季限りで退団し、バイエルンに合流する。
デイビーズは2016年シーズンにホワイトキャップスデビューして以降注目されていたが、今季入団したFWカマラ(#23)の好影響で今季急成長、23日のFCダラス戦でもカマラのゴールをアシストして同点弾を演出した。
すでにカナダ代表にも選出されている17歳。ホワイトキャップスから巣立つデイビーズを見送るホーム2試合となりそうだ。
(取材 三島直美)
10月のホームゲーム
10月17日(水) 7pm スポーティング・カンザスシティ 10月28日(日)1:30pm ポートランド・ティンバーズ