2018年5月31日 第22号
5月24日、バンクーバーの日系ビジネス団体の協議会であるバンクーバー日系経済団体連合会(連絡協議会)の会合、およびウェブサイトのお披露目を兼ねたレセプションがダウンタウンのコーストコールハーバーホテル・バイ・アパで開催された。
レセプション参加の人々と談笑中の岡本裕明議長
日系の主要ビジネス団体で共有するさまざまな事象について協力し対応することを目的にした連絡協議会は、2009年に設立された。当初は、定期的な会合を通じ、各種の問題に対応。幹事も毎年持ち回りであった。その後、構成メンバーを広く募り、イベントなどの情報の共有化やビジネスに関する議論を活発化してきた。連絡協議会は、現時点で、10の日系ビジネス団体とオブザーバー1団体および顧問の在バンクーバー日本国総領事館で構成されている。
2018年1月、幹事の持ち回り形態から、2年任期の議長スタイルに転換。初代議長として岡本裕明氏が就任。内部の結束をさらに固め、さまざまな問題解決に挑み、内外への情報発信を強めることとした。その第一歩として連絡協議会のホームページが今回完成した。(www.cjcbc.org)
◆それぞれの特徴を持つビジネス団体が、連絡協議会を設立しているのは世界的に見ても珍しいこと
連絡協議会の顧問として参画する在バンクーバー日本国総領事館の飛矢崎峰夫領事が、乾杯の挨拶に立ち、「さまざまな目的を持ち、業種も異なるビジネス団体が連携すること自体が世界的に見ても珍しい。それぞれに共通しているものは、日本、カナダ、経済活動の3つ。これを連携のキーワードとして、さらに飛躍していただきたいものです。今年は、日加修好90周年という節目の年でもあります。総領事館としても可能な限りの協力をしていきたいと思います」と新たなスタートを祝した。
◆日本本国よりも先に高齢化が進む、バンクーバーの日系企業
「近年、バンクーバーで若い人が起業することが少なくなっている。その原因は、PRカードの取得が難しくなる一方、スタートのための資金が多額必要になったことなど、起業することのハードルが高くなっている。また、日本での就職は売り手市場であることも影響して、バンクーバーに来て起業しようと思う若い人たちも少なくなっている。在バンクーバーの各企業は、数十年前に設立されたものが多く、高齢化が急速に進んでおり、この10年後を考えると危機感さえおぼえる。なんとか若い起業家、女性の起業家を育てる対策が必要だ」と、岡本裕明議長は語る。また、日本各地の議会や商工会などからの各種問い合わせ、また、カナダの各種ビジネス団体などとの経済関係の対外的な窓口としての確立、同時に対内的にも迅速、かつ正確な情報の収集・発信、問い合わせに対する対応など多岐にわたるナビゲーターとして拡充していきたい」と、明確な目標を持ち力強く始動した。
◆予期せぬ難題も飛び込んだ。避けては通れない…
5月24日発行のバンクーバー新報の一面に『「南京大虐殺記念日」制定運動始まる』という大見出しが踊ったことについて、ビジネス団体としては繊細に対応しなければならない案件だが、少なくともこういう問題が、再び当地で起こったという事実は、各団体の構成メンバーにも周知していただきたい、と岡本裕明議長はレセプションのなかで訴えた。
<バンクーバー日系経済団体連絡協議会メンバー>(順不同)
- ブリティッシュ・コロンビア日加協会
- 日系女性企業家協会
- 日系若手起業家懇親会(BOSS会)
- BC州日本酒協会
- バンクーバー日系ガーデナーズ協会
- バンクーバービジネス懇話会
- 企友会
- 日本・カナダ商工会議所
- 在カナダ日系ツアーオペレーター協会
- 木曜会(オブザーバー)
- 建友会
(取材 笹川守)
乾杯の挨拶をする在バンクーバー日本国総領事館・飛矢崎峰夫領事
24日発行のバンクーバー新報を片手にアピールする岡本裕明議長