2018年3月22日 第12号

 ブリティッシュ・コロンビア州ジョン・ホーガン州首相は16日、アメリカ・ワシントン州ジェイ・インスリー州知事と共同記者会見を行い、北米西海岸をつなぐ高速鉄道構想の事前調査にBC州が30万ドルを支援すると発表した。

 

高速鉄道構想について記者会見するBCホーガン州首相(左)とWAインスリー州知事。3月16日BCプレース

 

 この構想はすでに始動している。ワシントン州では今月の議会で事前調査に120万米ドルが承認された。BC州バンクーバー、米ワシントン州シアトル、オレゴン州ポートランド、さらにその先へ高速鉄道が完成すれば、カスケディア地区(BC州、ワシントン州、オレゴン州)の経済の活性化が促進され、大きな経済効果が見込まれるというだけでなく、環境問題にも貢献するという。

 インスリー州知事によると、ワシントン州の調査では完成すれば180万人の利用者が見込めるという。人の流れを鉄道に切り替えることで交通量を減少できるし、シアトル、バンクーバーのテクノロジーセクターの発展も期待できると高速鉄道がもたらす経済効果だけでなく、環境問題への寄与への期待も語った。今後は関係者などを含めた第2段階の調査に入る。

 具体的な計画については、ホーガン州首相は、ワシントン州がすでにワシントン・オレゴン間の最初の調査を終えており、それを踏まえてBC州側での調査を始める段階と答えた。

 カリフォルニア州で進んでいる高速鉄道事業が予算超過と計画遅延に悩まされている中、今回の計画が成功すると思うかとの質問には、ホーガン州首相は先月訪問した中国や日本での高速鉄道の視察を踏まえ、「特に日本ではすでに長く高速鉄道が成功し、高速鉄道博物館もあるくらいポピュラーなものになっている。我々にはそうしたすでに成功した例を参考にできる機会がある」と語った。

 高速鉄道が完成すれば、時速は最高400キロまで達し、バンクーバー・シアトル間を1時間以内でつなぐという。基本的には日本の新幹線のような鉄道の導入を予定しているようだ。

(取材 三島直美)

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。