2018年3月8日 第10号
ホワイトキャップスの2018年シーズンが開幕した。3月4日、BCプレースに超満員のファンが詰めかけたカナダのライバル、モントリオール・インパクトとの一戦は、ファンの期待に応える初物尽くしの勝利となった。
ゴール前で果敢に攻め込むFWカマラ(中央)。2018年3月4日BCプレース
3月4日(BCプレース:27,837)
バンクーバー・ ホワイトキャップスFC 2―1 モントリオール・インパクト
前半は両チーム無得点。先制は後半ホワイトキャップス。63分にFWカマラが決め1‐0。さらに70分には1点目をアシストしたMFデイビィズが決め2‐0とした。しかし81分、守りの隙をつかれてインパクトFWマンクースに1点を返される。その後は残り10分を守り切った。
2つの初ゴールで今季初勝利
先制点を決めたのは、ニューイングランド・レボリューションから今季、ホワイトキャップスに移籍してきたMLSベテランFWカマラ。中盤左からMFデイビィズが、中央に走り込んだカマラに絶好のパスを繰り出すと、ヘッドで合わせて左隅に決めた。
前半、試合全体が緩い展開の中で、一人積極的なプレーを見せていたカマラは、ゴールキーパーのキックミスで絶好のチャンスをつかんだものの決め切れず、フィールドを叩いて悔しがった。その悔しさが、この一弾で報われた。ホワイトキャップスでの初ゴール、今季のチーム初ゴールをチームメイトと喜んだ。
試合後、デイビィズとのコンビを聞かれ「プレシーズンからうまくいっていた。それが試合に出た。彼は、まだまだ若い選手だし、今日のようなプレーを続けていけるよう後押しする」と、ベテランらしい言葉を語った。
2点目は70分。そのカマラの初ゴールをアシストしたデイビィズが、右から上がってきたMFテチェラからのパスを中央で合わせてゴールを決めた。GKが一瞬止めたボールは弾かれネットに吸い込まれた。これが、15歳からホワイトキャップスでプレーする17歳デイビィズのうれしいMLS初ゴールとなった。
喜びを隠せないデイビィズは試合後、記者に囲まれると終始笑顔。期待がかかる若手カナダ人選手として「とにかく1試合1試合に集中していきたい」と語った。新加入カマラとのコンビは「いい選手だし、いいロールモデルでもあるし、一緒にプレーできてうれしい」と語り、プレシーズンから一緒にやって意気投合したと笑顔を見せた。
ロビンソン監督は、カマラについて「悪くなかったね」と笑って、「ラインをうまく導いて、ベテランらしいプレーを見せてくれた。ほんとにプレーしたくて、仕方がないという感じだった」と語った。デイビィズについては、大事に育てていくプレーヤーとして「今日のようなプレーが続けられるかが大事」と語った。
ホワイトキャップス史上最大観客動員数を記録
この日の開幕戦にはファン2万7837人が詰めかけた。ホーム開幕戦の観客動員数としては、ホワイトキャップスが誕生した1974年以来、最も多い記録となった。
昨季のホワイトキャップスは、プレーオフ準決勝で、シアトル・サウンダーズFCに惜しくも敗れたが、プレーオフ初勝利を挙げるなど、名実ともに上がってきている。
今季はどんな試合を見せてくれるのか。ファンの期待が見えた開幕戦となった。
アジアからの選手は今季もなし
3月2日に行われたメディアデーで、社長ボブ・レナデュージィ氏は、アジアからの選手について、すでにマーケットがクローズしているため現在は入団の可能性はないと語った。
しかし7月にトレードが解禁されれば、また可能性はあるという。「アジアでも、もちろんいい選手がいないか常に調査している」とレナデュージィ社長。
それでも、日本を含めたアジアからの選手の入団は、しばらくはお預けとなりそうだ。
3月のホームゲーム
3月24日(土)7pm LAギャラクシー戦
(取材 三島 直美 / 写真 斉藤 光一)
MLS初ゴールを決めたMFデイビィズ(右)。この日はカマラへのアシストも決めた。2018年3月4日BCプレース