このマスクレーヴュは5年ぶりの開催となるが、ベアフットビストロのファウンダー、アンドレ・サンジャックス氏は、「たくさんの制約を打ち破ってきたんだ」とのこと。実際、今回のパーティーは夜7時から朝の4時まで開催されたものだったが、会場はリステルホテルの地下駐車場全体を使ったものだった。もちろん参加者はこの会場が普段は駐車場だなんて想像すらできないぐらい豪華な会場だった。そこに至るまで、様々な問題があったことは容易に想像できることだが、サンジャックス氏をはじめとする多くの人たちの情熱がこのパーティーを大成功に導いた。

このマスクレーヴュは、パーティー出席者はみんな仮面をつけて参加、モエ・エ・シャンドンで乾杯したのち、40種類以上の地元産や海外のワイン、スピリットを楽しむことができ、料理のほうでは東條レストランやシーズ、ゴーフィッシュ、チョッピノース、ペトロ・ゴンザレス、バオ・ベイ、ジョーフォーテスといったバンクーバーからのレストラン、東からはケベックのル・サンタムール、ビストロB、モントリオールのシェ・リピシやヨーロピアなどそうそうたるレストランの一流シェフの創作一品料理を楽しむことができた。
そしてもちろん、カナダで最も権威のある料理コンテストで金賞を受賞したご当地ベアフットビストロのエグゼクティブシェフ、メリッサ・クレイグさんの一品料理、スキーの上村愛子さんが家族でウィスラーに来たときに、美味しかった料理として真っ先にあげたベアフットビストロのナイトロアイス(液体窒素を使ってその場でアイスクリームを作ってくれる)を始めとした数種類のデザートもペイストリーシェフのドミニクさんが振舞ってくれた。
パーティーの方はDJによる音楽、ワイナリーからの閃きでデザインされたボディーペインティングのダンサーや、鍛え抜かれた肉体のサーカスアートパフォーマンスが休むことなく会場を盛り上げた。

このパーティーそのものは“世界の最貧国に井戸の設備と飲料水の供給を”との願いを込めて、シルクドゥソレイユの創設者ギー・ラリベルテ氏が設立したONE DROPファウンデーションというNGO(非政府組織)のファンドレイジングを目的としたものだ。
これに向けて、インフィニティーカナダからG37という車が寄付され、モントリオールのアーティスト、ハイジ・テルファーさんが1カ月以上、300時間以上かけてアートを施した世界に一台の車の披露も行われた。
このパーティーには約1200人が参加し、10万ドル以上の募金が集まったとのこと。主催者のリステルカナダ社副社長上遠野和彦氏は「シーズン前のこの時期にウィスラーの観光に貢献できて嬉しいです。ご協力下さった皆様に感謝致します」と語る。この豪華なマスクレーヴュもウィスラーの恒例行事として定着し、ウィスラーの名声がますます高まることだろう。
(取材・写真 野口英雄)

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。