2017年11月30日 第48号

11月18日、バーナビー市のBCIT Student Athrleticで第18回佐藤杯が開催された。今回は、日本、カナダを中心に世界25カ国で、『佐藤派糸東流国際連合(佐藤会)』を新たに立ち上げての新たなスタートでの大会。この日を祝い、ハリウッド映画界でも著名な空手家の出村文男師範が会場入り。出場者400人の競技ぶりを観戦、そして祝辞を述べた。また、徳島県空手連盟からも特別参加。美技を披露した。

 

団体戦で優勝したアメリカ・チーム

 

空手道の国際化が、ますます加速する

 佐藤派糸東流国際連合の代表、佐藤義輝さんは、古くからカナダ、日本を中心に南北アメリカ、中近東、南アフリカ、ヨーロッパ、アジア各地43カ国へ自ら出かけ空手の指導を行ってきた。その体験から「肌の色や、宗教、文化の違いがあっても、空手道の真髄は通じ合えるものだ」という確信を強めたという。「空手の技術向上だけではなく、行儀作法、相手を信じ、認め合い、練習に汗を流すなかで相手をいたわるやさしさが生まれる。友情が深まっていくその姿を見てくると、戦争や紛争の火種さえ消し去ることができるのではないか、と思うことがあります」と語る。なかでも、発展途上国や紛争に疲弊した国々で、ともに汗を流して練習すると、その思いは一層深まると言う。

 日本の古武道をルーツにする空手道は、まさしく日本文化の精神を表すものであり、佐藤さんの世界各地での活動は、日本文化の伝道師とさえ思える。汗を流し、礼儀作法や相手を敬う心…日本固有と思われる精神性が通じ合い、理解を深めていく様は、官製の国際交流にはない、まさしく『根を張る草の根の国際交流』と思える。それは、ここカナダで日常見る日本武道の道場でも、ルーツ、文化の違う人たちが汗を流す姿からも強く感じるものだ。

 今回の佐藤杯のプログラムに、岐阜県議会議員、空手家でもある若井あつこさんはメッセージにも「21世紀のスポーツは、現代社会が抱える問題の解決に寄与するものでなくてはなりません。利己主義的な社会の風潮が進展してきている状況において、『心・技・体』をひとつとし礼節を重んずる空手道精神を、今こそ見つめ直すときではないでしょうか」と寄稿している。

今回の特別ゲストは、空手道の国際化に先鞭をつけた出村文男師範

 1966年単身渡米し、空手道の普及に努めてきた出村文男師範。出村さんの普及法は、独特のものであった。アメリカ人の誰もが取り付きやすく、話題になりやすい方法を選択した。「空手ショー」への出演であった。話題になり、ハリウッドの映画関係者とも親しくなった。ブルース・リーに「ヌンチャク」を教え、チャック・ノリスには、空手の「突き」を教えた。ショー・コスギとは、12年間日本村のショーでともに出演、スティーブン・セガールともショーで共演。その後、バート・ランカスター主演の『ドクター・モローの島』で、トラやライオン、熊などと戦う役で参加。これを機にハリウッドの俳優協会に入り、『空手キッド』の主役パット・森田の影武者スタントとして14年間出演した。

 一方、渡米時から開いていた道場にも入門者が後をたたず、カリフォルニア州に19支部、オハイオ州に28の道場を開設。多文化、多民族のアメリカで、日本武道の精神が、拡散する拠点となっている。現在、サンタアナ糸東流空手玄武会総本部会長をつとめている。

 しかし、2014年、突如、病に倒れたが一命をとりとめ、持ち前の空手道精神と体力を生かし、リハビリに励み、医者をも驚かせる回復ぶりだ。「在米50年を超えた今、お世話になったアメリカに何か恩返しをと、とくに今を生きる子どもたちに人間育成のお手伝いをすることが生きがい」と語る、意気軒昂の日々である。

(取材 笹川守)

 

(左から)佐藤義輝代表、徳島県空手連盟代表団といっしょに来ていた井内徳馬君、出村文男師範

 

気軽にサインにも応じていた出村文男師範

 

アシュリンNgさん(13歳)

 

バレンティーナ・ゾロタローバさん(29歳)

 

クラウディア・ラオス・ルーさん(20歳)

 

 

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