2017年11月23日 第47号
11月19日、ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)人類学博物館(通称MOA)のオデン・ギャラリーで先住民セイリッシュ族の織物展が始まった。激しい雨に見舞われた日曜日、同博物館を訪れた人の数は800人以上。そのうち約400人が開会式典に出席した。
先住民セイリッシュ族による織物
セイリッシュ族による織物は1800年代前半から始まったとされ、その多くが大判の肩かけ(ブランケット)やマット。羊毛にヤギや犬の毛、羽根やボタンを入れて編んだものもある。カナダ政府からの先住民文化弾圧やハドソン湾会社による大量生産の時代を経て、現在手作りの作品を見直す動きがあるそうで、式典では「織物を通して私たちのルーツ、歴史と文化を残していきたい」と織物歴20年のデボラ・スパロウさんが挨拶した。
展示室にはヨーロッパ、アメリカ東部の博物館からの貸与、個人やMOA所有の作品計20点に加え、制作工程の映像や試作パネルも。作品に添えられたストーリーが興味深い。
「デザインは、その家族のアイデンティティーと社会的役割を表しています。作品に込められた深い意味を知ってもらえれば」と、MOAキュレターのスーザン・ロウリーさんは話している。
(取材 ルイーズ阿久沢)
The Fabric of Our Land: Salish Weaving(2018年4月15日まで開催)
Museum of Anthropology : 6393 NW Marine Drive, Vancouver BC
10AM -5PM (木曜は9PMまで)
10月15日〜5月15日までは月曜日休館
入場料:おとな$18 学生・シニア$16 家族割引あり
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ブランケットをまとった 織り手の女性たち
マスキーム族チーフのウェイン・スパロウさんによる開会のスピーチ
試作コーナー