2017年11月2日 第44号
バンクーバーにさわやかな秋空が広がるこの季節。街は紅葉とハロウィーンの飾りつけで華やかだ。深紅に色づいたアレキサンダー通りでも、工夫を凝らしたコスチュームに身を包んだ愛らしい子供たちの姿が、より一層、秋の訪れを華やかに彩った。
10月29日、バンクーバー日本語学校並びに日系人会館で日本語学校に通う生徒たちによるハロウィーンコスチュームコンテストが開催された。
参加したのは、小学科、基礎科、ハイスクール、中学科、高等科(希望者のみ)の生徒たち。コンテストには参加しなかったものの、キンダークラスの子供たちも自慢のコスチュームをお披露目。かわいいお化けがいっぱいの楽しいコンテストとなった。
全員で記念写真。今年も楽しいハロウィーンコスチュームコンテストになった
恐竜に、透明人間に、UFOキャッチャー?!
それぞれに趣向を凝らしたコスチュームで舞台に上がった生徒たち。名前と扮したコスチュームを舞台の上で発表する。女の子に人気はやはり魔女と猫。黒いとんがり帽子に黒いマントを身にまとった魔女と、頭の上にちょこんと耳を付けた猫が可愛らしさを演出した。
男の子に人気だったのは低学年ではヒーローもの。戦隊ヒーローやスパイダーマン、キャプテンアメリカ、スターウォーズも根強い人気だ。高学年はなかなか個性的。昨年一世を風靡したピコ太郎も登場した。
そんな中、凝ったコスチュームに観客から感嘆と笑いが起こる場面も。登退場が大変なほど大きなコスチュームの恐竜やゴジラ、一体どこが顔なのか分からない透明人間、中にはイヌイットというカナダ独特のテーマやピザ、スターバックスといった食べ物がテーマのもの、さらにはUFOキャッチャーまで。生徒たちのアイデアあふれるコスチュームに会場は楽しい雰囲気に包まれた。
この中から6つのカテゴリーで各2人に賞が贈られた。そしてベストドレッサー賞に選ばれたのは、2年生の齋藤慎(さいとうまこと)さんと5年生の中川里咲(なかがわりさ)さん。照れながら舞台上で記念の賞状を受け取った。
審査委員長の大役を務めた在バンクーバー日本国総領事館松田茂領事は「この役割が自分の仕事中で最も難しい」と笑い、皆さんにベストドレッサー賞をあげたかったと語った。今回で審査委員長は3回目。「毎年グレードアップしている気がします」と松田領事。「手の込んだ衣装や、いろいろな奇抜なアイデアも見られました。ハロウィーンを楽しむ雰囲気があふれるイベントでした」と自身も楽しんだようだった。
楽しく参加でき、日本語が発表できるイベントとして
同校本間真理校長は、自らもカラフルなポンチョにメキシカンハットの出で立ちで参加した。この日は先生たちも思い思いのコスチュームに。ピザやダンシングクイーンなど普段は見られない先生たちの姿に生徒たちからも拍手が起こった。先生たちの審査は、もちろん生徒を代表して生徒会が担当。甲乙つけがたかったようだ。
本間校長は、ハロウィーンは日本のカルチャーではないが、カナダのカルチャーとして楽しく参加できるイベントとして日本語学校でも毎年開催していると話し、さらに「舞台で子供たちが日本語を披露できる貴重な機会でもあるので」と、子供たちが楽しみながら日本語を習得するイベントとして毎年開催していると語った。
11月にバザー開催
同校では秋のイベントとして、11月19日(日)に毎年恒例秋のバザーを開催する。バンクーバーで最も歴史の古い日系機関として日本文化の継承の役割も担っている。バザーでは日本料理やクラフトが並ぶ予定。開催時間は12時から2時半まで。詳細はサイトを参照。https://vjls-jh.com/blog/events/2017-fall-food-bazaar/
(取材 三島直美)
ベストドレッサー賞を受賞した中川さん(左)と齋藤さん(右)。審査委員長松田領事(中央)から賞状が贈られた
会場が一番盛り上がったゴジラと恐竜の登場