2017年11月2日 第44号
10月30日、在バンクーバー日本国総領事公邸で、内田晃首席領事の送別会と多田雅代首席領事の歓迎会が開かれた。
大谷拓也シェフ(左から2人目)からのサプライズケーキ。右から岡井朝子総領事、内田晃首席領事、1人おいて、多田雅代首席領事
和やかで温かい雰囲気の歓送迎会
当日はグレーターバンクーバー日系市民協会、隣組、懇話会、企友会、バンクーバー日本語学校、グラッドストーン日本語学園など多数の日系コミュニティの団体や企業から約50人が出席した。
岡井朝子在バンクーバー日本国総領事は冒頭の挨拶で、内田首席領事が当地における多くの人と交流を深めてきたと述べた。また「私にとっては大切な右腕をなくすようで悲しい思いはありますけれど、内田首席の益々のご活躍をお祈りしたいと思います」と語った。多田首席領事については「私の同期でイギリス研修も一緒に過ごしております。30年に近い旧知に来てもらったことは私にとって喜びであります」と紹介。総領事館ではSNSでの情報発信に力を入れているので、多田首席がバンクーバー赴任前にIT広報室であったことを心強く思っていると話した。
内田首席領事は、バンクーバー赴任前からカナダとのつながりがあり、第2の故郷とも思っていると述べた。在エチオピア日本大使館の次席としての赴任を控え「この美しい風光明媚な土地と皆さんの笑顔を胸に刻んで、11月3日にエチオピアに発ちます」としめくくった。続いて多田首席領事が「日本とバンクーバーの今の友好関係をもっと活発にし、絆が深くなりますように、皆さまのご協力を得ながら一緒に歩んで参りたいと思っています」と挨拶した。岡井総領事が乾杯の音頭を取った後、軽食をつまみながら歓談の時間に。内田首席領事には、在バンクーバー日本国総領事公邸料理人の大谷拓也シェフからサプライズケーキも贈られた。内田首席に感謝の気持ちを表すのと共に今後の活躍を祈り、同時に多田首席を温かい気持ちを持って迎え入れるような歓送迎会となった。
思い出を胸に新任地へ 内田晃首席領事
バンクーバーでの4年3カ月の任務を振り返り、思い出深いさまざまなできごとがあったと話す内田首席領事。2014年は総領事館開館125周年記念として、岡田誠司前総領事がイニシアチブを取り、1年を通してさまざまな文化行事や講演会が行われた。特に『二つの歩み〜日本外交と日系人の遺産』というフォーラムは年に6回行われ、日系人の歴史を知るという非常に貴重な経験となったという。2015年は横浜市とバンクーバー、釧路市とバーナビーが姉妹都市提携50周年、盛岡市とビクトリアが30周年と記念行事があった。2016年は岡田前総領事から岡井総領事への交代があった。そして今年は海上自衛隊の練習艦隊によるバンクーバー訪問など、語り尽くせぬ思い出がたくさんあるという。
次の赴任先はエチオピア。アフリカに行くのは初めてで、経済条約交渉の分野に長く携わってきたが、アフリカ外交や経済協力の分野には馴染みがないという。「日本とエチオピアの友好関係促進ということが一番ですが、経済協力の分野でいかにエチオピアのインフラ整備、経済発展に寄与できるか、というところが重要かと思います」と語った。
日本とカナダの絆をいっそう深めたい 多田雅代首席領事
イギリス、シンガポール、ブルネイ、シドニー、パリに本部を置くOECD(経済協力開発機構)の日本政府代表部に勤務、バンクーバーは6カ所目の海外赴任地となる。北米には初めて来たそうで、長い外務省勤務の中で、北米に旅行でも出張でも来たことがないのは珍しいと言われていたそうだ。
日系移民の長い歴史を自身も感じとっていきたいと語った。また、当地ではビジネス関係者、教育や文化関係者、学生などさまざまな人たちが在住しており、日々の生活の中で総領事館に対する意見や要望がいろいろとあるのではないかと思い、まずそうした話を聞いていきたいという。そして「皆さまの暮らしが、安心安全で快適なものになりますよう、総領事館としてもできることをやって参りたいと思います。日本とカナダの友好の歴史は長く、すでに緊密な関係がいろいろな分野で育まれていると思います。皆さま方と協力しながら、さらに友好関係を促進していければいいなと思っております」と語った。
(取材 大島多紀子)
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