2017年10月5日 第40号

 子供向きの日本語の図書をスティーブストン・ライブラリーに寄贈しようと、ボードミーティングで、あるメンバーから提案があったのは今年の春頃。新しい本を日本から取り寄せて、それらを寄贈しようという提案でした。

 

スーザン・ウォルタース(左) と鈴木知子校長

 

 本校の所在地であるスティーブストン日加文化センターとライブラリーは、目と鼻の先でどちらもスティーブストン・コミュニティーセンターの管轄に入っています。

 本校では以前から、生徒や保護者から子供達が読める日本の本を貸し出して欲しいという要望がありましたが、本を並べるスペースがなく、本を管理する余裕もありませんでした。

 ミーティングで話し合いを重ねていくうちに、これは本校にとってもコミュニティーにとっても非常にいいアイデアだとメンバーたちが思うようになりました。また、ライブラリーからも子供用の日本語の本は無いので、是非寄付をお願いしたいということでした。

 夏休み中に鈴木知子校長と係の者は、幼児から小学生、更に中学生までの幅広い年代の子供達が楽しめる本を100冊選び、取り寄せました。そして新学期が始まった9月20日にスティーブストン・ライブラリーで、学校側とライブラリー側、それぞれ代表4人ずつ出席して、地元メディアも参加する中で日本語図書寄贈式が行われ、鈴木知子校長から当図書館員長、スーザン・ウォルタースさんに図書が贈られました。

 ウォルタースさんはお礼のスピーチで次のように述べました。(要約したもの)

 「スティーブストンでの日系コミュニティーは永い歴史があります。そんなコミュニティーに1960年スティーブストン日本語学校が設立されました。以来、地元の子供達に日本語を教えるという大事な役割を果たしてきました。

 日本語学校の生徒たちだけでなく、地元の子供達もこれらの本に触れて日本語を学びたいと思うようになり、その手助けになるようにと、スティーブストン日本語学校は、ここスティーブストン・ライブラリーに寄贈を申し出て下さいました。 

 読書は、人々の人生を変えるということは周知のことであり、私は、これらの本を読む若い読者だけでなく、その子供たち、更には孫たちに至るまで楽しんでもらえると確信しています。スティーブストン日本語学校は、ライブラリーの良き仲間、サポーターであるだけでなく、リッチモンド市にとっても同様の存在です。心から地元への貢献に感謝しています。今日集まって下さった皆様方、どうかこれらの本に目を通し、楽しんでいって下さい」

 鈴木校長からは次のような挨拶がありました。

 「スティーブストン日本語学校を代表して、リッチモンド市ライブラリー、スティーブストン分館に日本語図書100冊を寄贈できることをとても嬉しく思います。これらの本を通して子供達が日本語とその文化について興味を深めていくことを願っています。本校の運営方針(ミッション)の1つである、『コミュニティーに日本語とその文化を推進し、広めていく』ことが出来て本当に嬉しく思っています」

 本校は、「リッチモンド・ドアーズオープン」イベントやカナダデーに開催される「サーモン・フェスティバル」には、ブースを設け、着物の着付けや書道などを通して日本文化の紹介に努めてきました。又、今年4月に初めてゲーリーポイント・パークで開催されたリッチモン市の「桜祭り」と「海王丸寄港記念イベント」にも参加しました。日本語学校関係者は、スティーブストン・ライブラリーに並べられた日本語の本を通して、本校のミッションが又1つ果たされ、池に小石が投げられたように、その願いが地元にゆっくり広がっていく光景が目に浮かんでくるようでした。

(記事提供 スティーブストン日本語学校)

 

 

 

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