2017年10月5日 第40号
5月末から改装工事のため休止していたZest Japanese Cuisineがこのたび新しくエグゼクティブ・シェフを迎え、Yuwa Japanese Cuisineとして再オープンした。9月26日にはメディア、ワインや日本酒・レストラン業界ほか22人が、ペアリングされた日本酒とともにYuwaのフルコース料理を堪能した。
洗練されたインテリア
和と洋のエレガントな調和
Zestといえば数々のレストラン・アワードを受賞し、この12年間人気を保ってきた高級レストラン。洗練されたインテリアも魅力のひとつだった。
「バンクーバー島のダグラスファーを使ったカウンター、グレーの木目調の壁、自然色のウォールナッツとそれぞれ違う木の色をコーディネートしながらウエストコーストをイメージしました。その中に日本から特別に注文をした和紙を取り入れ、これまでの落ち着いた雰囲気を保ち、和と洋の調和をエレガントにまとめてみました」と、オーナーの片岡以織さん。
日本酒とペアリング
全国紙『グローブ&メール』やバンクーバー・マガジンのフード・ライターが期待を寄せるYuwaの料理と日本酒のコラボレーション・ディナー。来加中の吉乃川酒造社長、峰みねまさ政祐ゆうき己さんと、輸入エージェントのブルーノート・ワイン&スピリッツ社社長パトリック・エリスさんが日本酒の紹介をした。
「新潟のお酒がおいしいのは、雪解け水がしみこんだ大地で作られるお米が理由です」と話す峰政さん。華やかな味わいの『極上吉乃川』(吟醸)から始まり、純米吟醸と吟醸の比較、ヒノキの枡でいただく厳選辛口本醸造、純米、大吟醸。出席者の頬が思わず和らぐ。
絶品の数々に舌鼓
エグゼクティブ・シェフの大森昌弘さんは、東京都の某大手ホテルの天婦羅割烹で約10年日本の伝統料理の基本を学んだのちに渡加。2008年に酒楽のオープニング・メンバーとして活躍したあと2011年に日本に帰国したが、カナダで和食を紹介していきたいという夢を捨てきれず、今回Yuwaのオーナーシェフとして戻ってきた。ちなみにYuwaは大森シェフの祖母の名前。魚の行商をしていた祖母から影響を受け、高校時代に魚屋でアルバイトをしたのちに料理の世界に入った。
先付けにアワビのうま煮。前菜各種、椀物は上品な出汁がきいたハギしんじょう、まつたけの天ぷらと北海道産ホタテ貝の磯部揚げ、ギンダラの幽庵焼き、子牛の頬肉の八丁味噌煮込み、握りずし、ふじりんごのシャーベットとパンナコッタなど、丹精に作られた美しくておいしい料理の数々に感嘆の声があがる。
「このほかにも新鮮な魚のお造り、地鶏の黒糖醤油焼き、肉類も豊富に取り揃えたメニューを用意しております」と片岡さん。早くも注目のYuwaである。
Yuwa Japanese Cuisine
2775 West 16th Avenue, Vancouver BC
(604) 731-9378
www.yuwa.com
(取材 ルイーズ 阿久沢)
前菜各種。(左から時計まわりに)春菊と菊のおひたし、フレーザーバレー産ダック胸肉醤油焼き、BC産ダンジェネス蟹と山芋の土佐酢づけ、本鮪のゴマ酢だれ、吹き寄せ(ボタンえびの唐揚げ、銀杏、さつまいもチップス)、日高昆布の佃煮
写真やメモを取る全国紙『グローブ&メール』やバンクーバー・マガジンのフード・ライターたち
オーナーの大森昌弘さんと片岡以織さん