2017年9月28日 第39号

9月19日、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市のバンクーバー日本語学校並びに日系人会館において、バンクーバー日本語学校主催による海上自衛隊練習艦隊歓迎会が行われた。海上自衛隊の実習幹部約190名はバンクーバーにおける日系人の歴史を学ぶとともに、バンクーバー日本語学校関係者や生徒たちと交流を深めた。

 

歓迎会に集まったみんなで集合写真

 

海上自衛隊練習艦隊がバンクーバーに寄港

 9月16日から20日までBC州のノース・バンクーバー市のバラード・ドライドック・ピアーに海上自衛隊練習艦「かしま」、護衛艦「はるさめ」が寄港していた。この艦隊には今春、幹部候補生学校を卒業した実習幹部約190名を含む約580名が乗組み、163日間の遠洋を予定している。遠洋練習航海では海上における諸訓練を通じて初級幹部のシーマンシップを育成するとともに、国際的視野を養い、あわせて訪問国との親善を深めることを目的としている。

 

歓迎会の様子 

 一行は旧日本人街のビデオを観たり、ウォーキングツアーで説明を受けたりして、当地の歴史を学んだあと、歓迎会が始まった。

 オズボーン齋藤智香子理事長は当会館の歴史や活動について説明し「今春BC州政府公認日系歴史遺産として認められ、111年続いてきた、この日本語学校で日本語や日本の文化を学ぶことの素晴らしさを後世に伝えていきたい」と挨拶した。続く岡井朝子在バンクーバー日本国総領事は75年前の強制収容を「非常に重い事実」だとしながらも、こういう事実を踏まえた上でも「未来志向型の関係が築けるということを示せる良い場であるバンクーバーに、将来の日本の安全保障を担う皆さんが来ていただけるのは大変うれしいことです」と語った。眞鍋浩司海上自衛隊練習艦隊司令官はカナダ建国150周年、日系人移民の歴史も140年ということを受け「カナダの歴史そのものが日系人の歴史でもあることに非常に感銘を受けています」とし、また歓迎会を主催した関係者へ謝意を表した。

 浅川十美さんによる楽しい司会によるホットドック争奪ゲームで会場は一気に盛り上がり、みなが先を争い質問に答えていた。その後も高山宙丸氏による詩の朗読パフォーマンス、自衛隊実習幹部4名による英語での抱負の発表、バンクーバー日本語学校生徒4名による日本語での発表などが続いた。最後は自衛隊実習幹部190名が壇上に上がり『花は咲く』を披露。海軍の制服を着た190名がずらっと並ぶ光景だけでも圧巻だが、そこから響いてくる低音の丁寧な歌声は、力強く圧倒的な力で会場に響き渡った。練習艦隊は9月20日、次の寄港地アンカレッジ(米国)へ向けて出港した。

(取材 福安恵子)

 

 

岡井朝子在バンクーバー日本国総領事の挨拶

 

挨拶をするオズボーン齋藤智香子理事長

 

挨拶をする眞鍋浩司海上自衛隊練習艦隊司令官

 

実習幹部約190名による「花は咲く」

 

実習幹部から生徒たちへ折り紙のプレゼント

 

大盛り上がりのクイズ

 

 

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