2017年9月28日 第39号
ホワイトキャップスが遂に首位に浮上した。9月のホーム4連戦は3勝1分、4戦負けなし。9月13日のミネソタ・ユナイテッドFCに快勝して、一気に首位に躍り出た。
今季白星に恵まれなかった開幕当初のスランプがウソのよう。例年なら失速する8月だが今季は一気に加速。エンジン全開で首位街道を走っている。
夏に入って絶好調のFWモンテロ。9月9日リアル・ソルトレイク戦
9月ホーム4連戦、引き分け挟んで3連勝
前回の記事では、9月ホーム4連戦が今季のホワイトキャップスのカギと書いた。ホームで成績がいい上に、上り調子で、しかも比較的下位チームとの対戦、幸運な組み合わせだったからだ。
しかし、ここまで勝ち進むとは正直思っていなかった。毎年、毎年、「8月から調子を落とし」と書き続けてきた。開幕当初の白星奪取での貯金も、この時期には大体使い果たしていることが多い。それが今年はちょっと様子が違っている。
9月9日はリアル・ソルトレイクと対戦。3‐2と快勝し、3位に浮上した。9月13日の相手は今季MLSに昇格したミネソタ。9日には決勝点、この日は先取点をあげたMFレイナ(#29)の活躍で3‐0と大勝し、ここで一気に首位に浮上した。
9月16日は東のコロンバス・クルーSCと対戦。先制はしたものの、後半に逆転を許し、ここまで伸ばしてきた不敗記録も止まる危機に。しかし92分に執念の同点ゴールで2‐2。なんとか勝ち点1をもぎ取った。これが大きかった。勝ち点差わずか1で首位にとどまった。
そして9月23日。西の最下位コロラド・ラピッズに苦戦はしたものの、2‐1で逃げ切り首位を堅持。最高の形でホーム4連戦を終えた。この日、ゴール数を13に伸ばしたFWモンテロは「自分のゴール数は気にしていない。とにかくチームの勝ちに貢献できるプレーをするだけ」と語った。
不敗記録更新でプレーオフ進出射程圏内
きっかけは8月19日。ヒューストン・ダイナモ戦。この試合の前、ホワイトキャップスはまだ7位にいた。プレーオフ圏外。しかも相手はいつも激しいぶつかり合いとなるダイナモ。決して得意な相手ではない。
しかしこの日は違った。予想に反して点差こそ2‐1ながら快勝。ここから一気に勢いづいた。
以来、8月23日ホームでのシアトル・サウンダーズFC戦にしつこく引き分け、負けなかったことに自信をつけた。それ以降勝ち続け、9月に入っても勢いは止まらず、不敗記録は続いている。
理由は得点力だ。今季FWモンテロが加入し、期待通りの実力を発揮。さらに7月以降はゴール製造機のようにホワイトキャップスの得点をたたき出している。7月から好調のきっかけはMFレイナの加入だろう。ホワイトキャップスとして7月5日にMLSデビューを飾って以降、モンテロ、そして今季絶好調のMFテチェラ(#13)との絡みが絶妙で、3人が大暴れしている。
残りは5試合。昨季は8位に沈んだが今季はプレーオフ進出が見えてきた。しかし西カンファレンスは混戦状態。首位ホワイトキャップスでさえ、いまだプレーオフ進出確定を出せないでいる。勝ち点48の首位ホワイトキャップスから同38の8位FCダラスまで、わずか11ポイント内にひしめいている。
10月の戦い以降ではプレーオフ圏外もあり得る。「順位は意識していない。今は一戦一戦勝ち点3を取りにいくだけ」とロビンソン監督。その先に、2年ぶりのプレーオフ、しかも上位での進出が見えてくる。
(取材 三島 直美 / 写真 斉藤 光一)
次のホームゲーム
10月15日(日)4:30pm サンノゼ・アースクエイクス戦(レギュラーシーズンホーム最終戦)
ゴールを決めチームメートと喜ぶMFレイナ(#29)。9月9日リアル・ソルトレイク戦