2017年9月21日 第38号
9月16日から20日まで、ブリティッシュ・コロンビア州ノース・バンクーバー市のバラード・ドライドック・ピアーに海上自衛隊の練習艦隊「かしま」「はるさめ」の2隻(練習艦隊司令官 眞鍋浩司海将補、乗組員約580名)が寄港し、9月16日、その寄港を祝う艦上レセプションが練習艦隊司令官および在カナダ日本国大使共催により盛大に開催され、出席した206名の来客者と約80名の自衛隊員は有意義な歓談のひとときを楽しんだ。
来客を迎える在カナダ日本国大使館・門司健次郎特命全権大使(右)と海上自衛隊練習艦隊司令官眞鍋浩司夫妻
●華やかなレセプション
眞鍋浩司海上自衛隊練習艦隊司令官による歓迎の挨拶で「このレセプションを含むバンクーバーでの交流は日本とカナダの友好をより深くするものと信じています」とし、日本からの日本酒や料理を存分に楽しんで下さいと挨拶をした。続いて、在カナダ日本国大使館・門司健次郎特命全権大使の歓迎のスピーチでは、練習艦隊の行程や意義を説明するとともに2018年の日加修好90周年にも言及し、「基本的な価値観を共有する日本とカナダが防衛や安全保障に関して一層の協力を深めていくのは大変喜ばしいことです。練習艦隊の安全な航海と諸訓練を無事に成し遂げることを願っています」と挨拶した。
総勢11名による鏡割りが威勢よく行われた後、レセプションは日本からの食材で用意された寿司やてんぷら、魚介類、そして美しく飾られたデザートなどがバイキング形式で豪華に振舞われた。同レセプションにはジュディス・ギションBC州副総督をはじめとする各界の代表者が多く招かれ、約80名の自衛官たちと談笑する姿があちこちでみられた。出席者は非常に有意義な時間を過ごせたようだ。
●遠洋練習航海とは
今回寄港した海上自衛隊練習艦「かしま」、護衛艦「はるさめ」には初級幹部約190名を含む約580名が乗組み、5月に日本を出発し米国、キューバ、チリ、ロシア等を寄港しながら11月に日本に帰る163日間の遠洋を予定している。遠洋練習航海は、海上における諸訓練を通じて初級幹部のシーマンシップを育成するとともに、国際的視野を養い、あわせて訪問国との親善を深めることを目的としている。
何人かの実習幹部生たちはみな見聞を広げられるこの遠洋航海の素晴らしさ、また海外に出たから実感する日本の素晴らしさをすがすがしく語った。初級幹部生の10パーセント弱にあたる女性初級幹部生の1人に「訓練など女性として大変なことはないか」と質問すると、「上官から『性別の差ではなく、個人の差として受け取れ』と言われ、それを実行しています」と、はつらつと答える姿がたくましかった。
レセプション終了後、眞鍋浩司海上自衛隊練習艦隊司令官は「バンクーバーそしてカナダの皆様とフレンドシップを構築できたと思います。そしてそれが私の喜びです」と満足の笑みを浮かべた。
(取材 福安 恵子)
練習艦「かしま」
鏡割り。在カナダ日本国大使館・門司健次郎特命全権大使(中央)、(左から)岡井朝子在バンクーバー日本国総領事、ジュディス・ギションBC州副総督、シェーン・シンプソンBC州社会開発・貧困削減大臣、ブルース・ラルストンBC州雇用・貿易・技術大臣
鏡割り。(左から)ジョン・アルダック・カナダ連邦議員、サライ・ランディープ・カナダ連邦議員、マイク・ファーンワースBC州公共安全・司法大臣、アート・マクドナルドカナダ海軍太平洋海上部隊司令官、眞鍋浩司海上自衛隊練習艦隊司令官、ジェフリー・ズィーウィクカナダ海軍太平洋艦隊・海軍訓練システム部司令官