2017年8月31日 第35号
今季のホワイトキャップスは夏に好調だ。例年なら前半で貯金して夏から失速するというパターンだが、今季はどうやら少し違うようだ。8月は5試合を戦い2勝1敗2分。勝ち点8を稼いで、順位も4位に浮上。これから秋のラストスパートに向け期待は大きく膨らむ。
7月、8月と調子をあげているFWモンテロ(#12)。8月23日シアトル・サウンダーズ戦。BCプレース
8月19 日(BC プレース:21,183)
バンクーバー・ホワイトキャップス 2―1 ヒューストン・ダイナモ
8月23 日(BC プレース:22,120)
バンクーバー・ホワイトキャップス 1―1 シアトル・サウンダーズFC
モンテロが得点力を爆発
ホワイトキャップスが8月好調の理由にFWモンテロ(#12)が調子を上げていることがある。5試合で4戦先発して3ゴール。得点した試合では負けていない。7月も同様で、5試合で3得点。この強さが夏のホワイトキャップスを押し上げている。
8月19日、3週間ぶりにホームに帰ってきたホワイトキャップスは、宿敵ヒューストン・ダイナモと対戦。まずは17分、PKのチャンスでモンテロが確実に決め1‐0とリード。さらに32分には、この日大活躍したMFレイヤ(#29)の目の覚めるようなミドルシュートをお膳立て。2‐1の快勝に貢献した。
さらに23日、ホームで迎えたシアトル・サウンダーズFCとの一戦。カスケディアライバルであり、現在西カンファレンス首位のチームに、終始優勢に試合を運ばれるも64分。後半から途中出場のMFデイビーズ(#67)からパスを受けたモンテロが同点ゴール。この日は60分にMFチャニ(#16)が2度目のイエローカードで退場となり、10人での戦いを強いられての同点弾。結局引き分けて、勝ち点1をもぎ取った。
ロビンソン監督は試合後、「勝ちに等しい勝ち点1だったと選手たちに言った」と語った。チームのベストな試合ではなかったと振り返ったが、シアトルは強いチームでいい選手が揃っている、厳しい状況のなかで選手たちはよくやったと語った。
プレーオフ進出へ向けラストスパート
8月が終わり、レギュラーシーズンも佳境に入る。ホワイトキャップスは現在西カンファレンス4位。25試合を終え11勝9敗5分、勝ち点38。首位サウンダーズとは3ポイント差。首位から4位まで11勝で並び、負けが少なく引き分けが多いサウンダーズが首位という構図だ。
一方、プレーオフ圏外の7位リアル・ソルトレイクとも実は3ポイント差。つまり、負ければ即プレーオフ圏外という拮抗した状況になっている。
ホワイトキャップスの残り試合は9。昨季は8月後半からシーズン終了までほとんど勝てず、プレーオフ進出を逃した。しかし今季は8月を勝ち越しで終えた。
9月は5試合中4試合がホームと、ホームゲームに強いホワイトキャップスにとっては有利な条件。しかも、9月9日リアル・ソルトレイク(7位)、13日ミネソタ・ユナイテッドFC(9位)、16日コロンバス・クルー(東3位)、23日コロラド・ラピッズ(11位)と西チームとの対戦は下位チームが続く。そしてアウェーでサウンダーズと27日に対戦する。
ホワイトキャップスの今季はこの9月にかかっていると言っても過言ではない。2年ぶりのプレーオフ進出なるか。ホーム4連戦に注目だ。
(取材 三島 直美 / 写真 斉藤 光一)
9月のホームゲーム
9月9日(土)7pm リアル・ソルトレイク戦
9月13日(水)7pm ミネソタ・ユナイテッドFC戦
9月16日(土)4pm コロンバス・クルー戦
9月23日(土)7pm コロラド・ラピッズ戦
ダイナモ戦では大車輪の活躍だったMFレイヤ(#29)。サウンダーズ戦でも先発出場した。8月23日シアトル・サウンダーズ戦。BCプレース