2017年8月31日 第35号
MUJIがメトロタウンに8月26日オープンした。待望のオープンに当日は開店前から1500人超が長蛇の列を作った。
前日にはオープニングセレモニーが行われ、ブリティッシュ・コロンビア州初出店を祝った。 出席した岡井朝子在バンクーバー日本国総領事は第一声「ようやくMUJIがここにきました」と笑顔を見せ、出席者から大きな拍手が起こった。
MUJIカナダは2014年にカナダ1号店をトロントでオープン。すでに4店舗がオープンしているがバンクーバーでは初めて。「(BC州の)MUJIファンは我慢強くここにオープンするのを待っていました」と岡井総領事がMUJIファンの思いを代弁した。
MUJIが支持されている理由は、高品質、シンプル、自然なライフスタイルといったMUJIの信念が、日本の歴史や文化に深く根ざしていることがあると思う、MUJIを通して日本文化を楽しんでほしいと語った。 セレモニーでは、詩の朗読、書道、茶道が披露され、鏡割りのあとリッチモンドのYK3の日本酒が振る舞われた。
MUJIの1号店は、バーナビー市メトロタウン・メトロポリス(4700 Kingsway, Burnaby, British Columbia)に8月26日グランドオープン。総面積7770平方フィート、アイテム数約4000点。カナダ最大規模の店舗となっている。
岡井総領事の音頭で鏡割り。左から、秋田社長、コリガン・バーナビー市長、岡井総領事、ラルストン大臣、メトロポリスのジェナ・グリスバ氏、松﨑代表取締役社長
バーナビーは日系コミュニティの中心
バーナビー市デレク・コリガン市長は、「MUJIがブリティッシュ・コロンビア州1号店にバーナビーを選んだことを光栄に思う」とあいさつした。「このメトロタウンにカナダ最大店をオープンし、ここの成功を持ってそれからバンクーバーにもオープンするようだ」と笑いを誘った。
バーナビー市には日系文化センター・博物館があり、日系コミュニティの中心的存在。バーナビーで日系文化を継承できることを光栄に思っているし、そのバーナビーに日本企業が出店することは日本との関係に特別意味のあることと語った。
「私自身はまだまだMUJIについていろいろ勉強しているところだが、うちの若いスタッフはすごく興奮している」と笑い、バーナビーでビジネスが成功することを願っていると語った。
BC州雇用・貿易・テクノロジー省ブルース・ラルストン大臣は、「今日MUJIのオープニングに出席することが、これまで私が大臣になって最も羨ましがられたことだった」と笑った。MUJIは熱烈なファンが多いとラルストン大臣。信念のある、環境に優しい、自然なライフスタイルを尊重するMUJIの価値観はBC州と共通するものがある、第1号店がMUJIのBC州での成功の第一歩だと信じていると語った。そして最後に、「周りから絶対ペンを買ってきなさいと言われた」と笑った。その後2セットのペンを購入したようだった。
カナダでの生活スタイルが豊かになるように
株式会社良品計画代表取締役社長松﨑曉(さとる)氏は、バンクーバーでのオープンが実現したことを喜んだ。バンクーバーへの出店計画は長い期間練られたものだったと明かし、「ようやくオープンが実現しました」と笑顔を見せた。
日本国内外を合わせてすでに800店舗以上を展開する無印良品。「世界中の人々に我々のコンセプトが受け入れられていることをとても誇りに思っています」と語った。
そして「MUJIを体験していただいて、我々の商品やサービスが少しでもカナダの人々の暮らしを豊かにすることができればうれしい」と語った。
MUJIカナダ社長秋田徹氏は「ようこそMUJIへ」と満面の笑みをみせた。「BC州の皆さんには、ほんとに長い間お待たせしました」と、ようやくのBC州1号店オープンを喜んだ。
トロントにオープンするたびにバンクーバーにはまだなのかとの言葉を受けていたと語り、「バンクーバーでMUJIの商品が愛されることを期待しています」と語った。そして「まだ続きがあると信じているし、これがMUJIにとって大きな1歩になると願っている」と、さらなるMUJIを予感させた。
MUJIバンクーバー店
MUJIカナダはすでにバンクーバー2号店のオープンを発表している。場所はロブソン・ストリート(1125 Robson Street)。以前はギャップがあった場所に、すでに大きなMUJIの看板が立てられている。オープンは年内の予定。
(取材 三島直美 / Photo by Miyuki Nakamura)
岡井朝子在バンクーバー日本国総領事
バーナビー市長・ デレク・コリガン氏
良品計画代表取締役社長・松﨑 曉氏
MUJIカナダ社長・秋田 徹氏