隣組では在バンクーバー日本国総領事館と共催で表記のテーマで特別セミナーを開催します。

日時:2017年8月10日(木)午後6時〜同8時30分
場所:隣組101-42 West 8th Avenue, Vancouver, BC 1階セミナールーム
提言者:在バンクーバー日本国総領事館 岡井朝子 様、弁護士 森永正雄 様、同 ダリアス・パゼランデ 様、リーガル・アシスタント 浜川 濯 様、YWCA日本語アウトリーチ・ワーカー 加瀬 様、BC州ファミリー・ナース・プラクティショナー スティーブン橋本 様
参加費:無料(ドネーションによる)一人あたり5ドルでの託児、また、お茶のサービスも準備させて頂きます。
申し込み:隣組(604-687-2172またはThis email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.

 

内容:年々増加する海外留学・海外勤務とともに国際結婚の割合も増えています。2011年のカナダ統計局によると、バンクーバーでは婚姻、コモンローを合わせたカップルのうち8.5%が異なる民族間同士によるもので、特に日本人・日系人では78.7%が国際結婚をしていると報告されています。これはカナダ国内でも最も高い国際結婚率です。また、2013年日本厚生労働省人口動態調査でも日本人の国際結婚件数は21,488件となっており、約30組に1組が国際結婚をした計算になります。その反面、『7割に相当する数のカップルが離婚。日本人同士のカップルと比較しても2倍近い比率』とも報告されています。

 国際都市バンクーバーはカナダ国内の他都市よりも高い国際結婚率を示しています。残念ながら結婚が破綻すると、別居や離婚の状況に至った場合に多く見られるのは日本人の母親が父親の承諾なしに子どもを日本へ連れ帰り、後に父親が子どもに会う権利を主張し、裁判で争うことになるというものです。

 日本に転居、一時帰国するためには文章による配偶者の許可を得る必要があります。日本に転居するということは、単独、共同親権にかかわらず、子どもの親への面会交流の機会を奪うことになり、『両方の親にできるだけ多く会えるのが子どもの利益である』と言うハーグ条約の趣旨に反します。

 このような状況をふまえて、今回のセミナーではハーグ条約の簡単な仕組みと概要、不法な連れ去りや留置、子どもの常居所(国)についてのほか、BC州の家族法でよく使われる親権、監護権、面会交流権なども説明します。一般的には親権と考えられているものは、BC州の家族法では親権のほか、監護権、面会交流権などに区分されています。特に離婚手続きの際にこれらを正しく理解していることは重要になります。子どもを持つカップルが知っておくべき法律の知識と言って良いでしょう。また、BC州での離婚の際には両親の共同監護権が基本になります。これも離婚の際に争いや不安の種になることが多いので、弁護士がこの共同監護権についても説明します。また片方の親が子どもをつれて旅行に行く際の子どもの渡航同意書や家庭内暴力・経済的理由等で別居が難しい場合に裁判所が発行する仮命令などについてもお話します。

 訴訟の場合の所要時間、費用、その間の精神的負担と子供への影響などを考えると、裁判所に申請する前に相手方と十分話し合ったうえで同意を得ることが望ましい形です。ただしDVなどの理由で婚姻生活が破綻した場合は、話し合いは難しくなります。そういった状況で、不法な子どもの連れ去り発生を防ぐためにも今年の4月1日から在バンクーバー日本国総領事館がYWCA に業務委嘱し、日本語のホットライン支援サービスが設けられました。頼りになる家族も親戚もいない、言葉の壁、カナダの行政、司法に不慣れな方が日本語でどのようにサポートを受けられるかについてもご紹介します。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。