2017年7月27日 第30号

BC プレースに西カンファレンス勝ち点で並ぶポートランド・ティンバーズを迎えた。この一戦はそれだけではない。カスケディア杯の順位も影響する負けられないライバル同士の対戦でもあった。

最近、ホワイトキャップスは順調に勝ち点を増やしている。7月は1日にアウェーでシカゴ・ファイアに黒星を喫したものの、5日のホームではニューヨーク・シティFC に、17 日のアウェーではLA ギャラクシーに競り勝ち、2連勝と勢いに乗っている。順位も4位に浮上。好調ホワイトキャップスを象徴するように、この日は超満員のファンが駆け付けた。

 

この日唯一のゴールを決めたジェイコブソン(#8) 右。Man of the Match にも選ばれた( Photo by D. Laird Allan /Sportswave.ca)

 

7月23 日(BC プレース:25,083)
バンクーバー・ホワイトキャップス 1―2 ポートランド・ティンバーズ

 先取点はティンバーズ。14 分にネット前の混戦を制してゴール。前半終了間際、45 分にコーナーキックからDF ジェイコブソン(# 8)が決め同点。1 ー1 で前半を折り返した。後半に入り、49 分にティンバーズが追加点で1 ー2。そのままティンバーズが逃げ切った。

 

3連勝ならず

 カスケディアのライバルチームの戦いらしく、白熱した試合となった。この日ホワイトキャップスは、19 日にロサンゼルスで戦った前試合ギャラクシー戦と同じ先発メンバー、4‐2‐3‐1 の同じフォーメンション。CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)でゴールドカップが行われている関係で代表レベルの選手がチームから抜けている。

 そのため、ディフェンス陣では今季はキャプテンを務めることが多いDF ワストン(# 4)がこの日も合流できず、MF のジェイコブソンが右センターバックに入った。そのジェイコブソンが同点弾。いい形で折り返したが、相手の好守もあり後半に決定力を欠いた。

 ロビンソン監督は「残念だった」と表情を引き締めた。前半は非常に良かっただけに後半のちょっとしたミスで相手に早い段階で得点を許したのは痛かったと振り返った。4日前にギャラクシーと戦い、試合間隔が詰まっていたこともあったが、「今日は自分たちにツキがなかった」と語った。ただ2失点は防げた失点だったと、拮抗するライバルチーム相手に勝ちきれなかったのを最後まで残念がった。

 ニューヨーク・シティFC、LA ギャラクシーとスーパースター軍団相手に2 連勝したホワイトキャップス。カスケディアライバルには惜敗し、3連勝はならなかった。

 

4位から6位に転落

 2連勝と波に乗っていたホワイトキャップスだったが、この日敗れて順位を2つ落とし西カンファレンス6位となった。

 この日の試合前は、勝ち点27 で、4位ホワイトキャップス、5位ティンバーズ、6位シアトル・サウンダーズFC とカスケディアライバル3チームが並んでいた。しかし、この日直接対決でホワイトキャップスが敗れティンバーズが勝ち、サウンダーズも勝利したため、順位が変動。

 4位ティンバーズ、5位サウンダーズ、6位ホワイトキャップスとなった。7月とはいえ、シーズンはすでに後半戦に入っている。毎年夏に勝ちきれず、順位を落とすホワイトキャップス。来週から3試合アウェーが続く。初戦は現在首位のFC ダラス。ロビンソン監督もアウェーでは厳しい戦いになると思うと記者会見で語った。

 

カスケディア杯でも最下位に

 この日ティンバーズに敗れたホワイトキャップスは、カスケディア杯でも最下位となった。ホワイトキャップス、ティンバーズ、サウンダーズが、MLS レギュラーシーズンの直接対決の勝敗で順位を決めるカスケディア杯。この試合に勝ってティンバーズが首位に、2位サウンダーズ、3位ホワイトキャップス。直接対決は3試合ずつ。ホワイトキャップスはサウンダーズと2 試合、ティンバーズと1試合の3試合を残している。

(取材 三島 直美)

 

8月のホームゲーム
8月19 日(土)7pm ヒューストン・ダイナモ戦
8月23 日(水)7pm シアトル・サウンダーズFC 戦

 

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