2017年5月11日 第19号

 ちゃちゃーん、ちゃん。あ、3点鐘、21:30だ。ビクトリアはもう過ぎました。点鐘とは船内で時刻を報せる鐘の撞き方です。零時、4時、8時が8点、それ以後は、また1点から始まり各30分ごとに1点ずつ増えていきます。海王丸は本日14:00、スティーブストンを出港しました。今はもうビクトリアを過ぎ、ジャンデフカ海峡を西に向かっています。夜明けまでには太平洋へ出ることでしょう。

 

登しょう礼。号令のもと実習生全員がマストに上る(写真提供 Toshiko Fujimotoさん)

 

 大勢の皆様、お見送り有難うございました。制服姿も凛々しい実習生たち、船内の案内、野球、剣道、テニスでの交流試合、自由外出上陸など、間近に見る機会もございましたでしょう。若い連中たち、いかがでしたか。

 ところで出港時の総員でのご挨拶、登しょう礼見事でしたねー。号令のもと、実習生全員(110名)がマストに上り帆桁。上から下まで全部に整列、船のへさき(Bow sprit)に立ったリーダーの号令。「脱帽」、「帽子、振れー」のもと全員での一糸乱れぬ動作。さらに「御機嫌よう(ごーきげーんよーう)」との3唱、港中に響き渡りました。それに応え、陸の方からも大勢が大西さんの音頭「Bon(ボン)」に続いて「Voyage(ボヤージュ)」の3唱。送る者、送られる者の息がぴったり合った一瞬でした。年甲斐もなく一瞬、目頭が…。 重ねて申し上げます。歓迎、見送りと皆様のご厚意に厚く御礼申し上げます。

2017年5月8日、 昔の本船実習生・小笠原行秀

 

 

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