2017年5月11日 第19号

カナダ建国150年を記念して、ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市が日本の帆船「海王丸」を招待した。5月3日に同市スティーブストンのギャリー・ポイント・パーク・ドックに海王丸が着岸。5月5日〜7日には海王丸を望む公園エリアに、各種エンターテイメントの場が設けられ、同公園は盛大な祭りの場となった。

 

5月6日にすべての帆を広げた海王丸。総重量2556トンの迫力(写真提供 小笠原行秀さん)

 

 

●たくさんのカナダ国旗で出迎え

 5月3日、あいにくの雨と寒空の中、リッチモンド市長マルコム・ブロディ氏、ビル・マックナルティ市議会議員をはじめとするリッチモンド市の代表者とリッチモンド市役所の歓迎スタッフたちが、ドック手前の公園エリアでスタンバイ。そして全長110メートルの白い船体のデッキに、訓練生、船員たちが船の上に姿を現すと、雨に降られながらも地元の小学生たちが元気にカナダ国旗を振り、威勢のいい太鼓演奏と共に、海王丸の来航を歓迎した。

 船の準備が整ったところで、市長と市のスタッフたちがデッキから降ろされたタラップを上がって海王丸に乗り込み、船長たちと挨拶を交わした。

 

●海王丸をメインに据えての一大祭りに

 この度の海王丸には東京海洋大学、神戸大学、商船系高等専門学校、海技大学校の実習生110人のほか、体験航海研修生と指導員の10人が乗船。風の力による帆走で、無事第1目的地リッチモンド到達を果たした。5月3日〜8日のリッチモンド寄港中、同船では船内の一般公開や総帆展帆と呼ばれる帆をすべて広げる行事を実施。5月5日からの週末は、海王丸を迎えたギャリー・ポイント・パークで、二つの屋外ステージでのコンサート、大きな観覧車を含む大型遊具施設、フードトラック、衣類や雑貨の出店、工作などを楽しむキッズコーナー、市の歴史紹介ブースに加えて和歌山県の紹介ブースなど、数々の催しが行われ、一大フェスティバルとなった。公園の歩道には祭りの提灯ならぬ、数々のこいのぼりが飾られ、日本歓迎ムードも演出されていた。同公園に足を運んだ多くの人々は、「キング・オブ・ザ・シー」と紹介された海王丸の姿に「美しい」、「大きい」と声を上げ、携帯カメラを向けていた。

 海王丸は5月8日にリッチモンドを出港した後、ホノルルに向けて進み、6月9日に東京港に到着の予定である。

 普段の海王丸は富山県の伏木富山港で、人々が集い、学び、憩うベイエリア「海王丸パーク」の中心施設として一般公開されており、船内では宿泊したり、団体生活を学んだりする海洋教室も行われている。

(取材 平野 香利)

 

地元の小学生たちが海王丸を歓迎

 

フェスティバルでのリッチモンド市のブース内では建国150年を祝うメッセージカードが展示された

 

大型遊具も用意され、ギャリー・ポイント・パークは広い世代で賑わう場となった

 

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