2017年4月6日 第14号

春の訪れをバンクーバーの桜とともに祝うイベント、バンクーバー・チェリー・ブロッサム・フェスティバル(VCBF)のキックオフ・イベント「チェリージャム・ダウンタウン・コンサート」が3月30日、ダウンタウンのバラード駅広場で開催された。運良く好天に恵まれ、バラード駅周辺の桜の木々もピンク色に蕾を膨らませ、花は咲き始めていた。

 

スカイトレイン・バラード駅。階下のチケット売場が会場となった(Photo by Miyuki Nakamura)

 

 VCBF の創設者であるリンダ・プールさんが開会の挨拶で「今年の桜の開 花は遅れていますので、開催日が変更となっているイベントもあります。ホームページ(www.vcbf.ca)で必ず確認してからイベントへ行くようにして下さい。では、桜の季節を楽しみましょう!」と挨拶し、進行役はCTV でおなじみのコリーン・クリスティーさんへと引き継がれた。最初にノース・ショアを本拠地とするプロのオーケストラ団体ライオンズ・ゲート・シンフォニアが紹介され、指揮者のクライド・ミッチェルさんは「私は昨日、ロサンゼルスからバンクーバーに着きましたが、ついでに良いお天気も連れてきました」とユーモアで会 場を沸かせた。この演奏には、ウエストエンド・チェンバークワイアーやさくらシンガーズらが合唱で参加した。カナダの国歌『オー・カナダ』の斉唱から始まり、日本語の『さくらさくら』、ベートーベンの第九『喜びの歌』などを熱唱。また、観客にまじって突然シンガーたちが会場のあちらこちらで歌い出す演出(フラッシュモブ)があり、集まった観衆には楽しいサプライズとなった。

 会場には岡井朝子在バンクーバー日本国総領事も駆けつけ、日本の桜の歴史に少し触れた上で「日本の心である桜がバンクーバーで支持されていることを大変うれしく思います」と挨拶した。

 次にステージに上がったのはメキシコを主としてラテン音楽を演奏する Son De Maple。弦楽器と打楽器から繰り出されるテンポのよい楽曲に、聴衆はますます心軽やかに音楽を受け入れ、リズムをとって音楽を楽しんでいた。

 続いて挨拶をしたバンクーバー・パークボードのマイケル・ウィーブ理事長は「昨年、私達は100 本以上の桜の木をバンクーバーに植えました。そして、これからも桜を植樹し続ける予定です。バンクーバーの桜は、VCBF と共に成長し続け、バンクーバーを象徴する存在となるように、私どもは今後もVCBFを支えていきます」と語った。

 最後は、うずめ太鼓とSouth Asian Arts が舞台に上がった。うずめ太鼓は威勢の良い太鼓のリズムと振り付けで最後まで観客を惹きつけ、South Asian Arts の打楽器の演奏でも観客はリズムを感じながら、演奏を楽しんだ。

 駅を行き交う多くの人が音楽と咲き始めた桜に思わず足を止め、音楽に合わせてリズムをとったり踊ったり、桜をバックに写真を撮ったりと、バラード駅は春の訪れをお祝いする嬉々とした雰囲気に包まれていた。開花が数週間も遅れている今年の桜だが、VCBF では桜にまつわる楽しいイベントが予定されている。詳細はホームページで。www.vcbf.ca

(取材 福安 恵子)

 

クライド・ミッチェルさんとライオンズ・ゲート・シンフォニア。トランペット奏者の前田卓哉さん(右から2番め)も参加した(Photo by Miyuki Nakamura)

 

ライオンズ・ゲート・シンフォニア、指揮のクライド・ミッチェルさん(Photo by Miyuki Nakamura)

 

ダイナミックなリズムと振り付けが印象的なうずめ太鼓の演奏

 

South Asian Arts の演奏

 

ノリの良いラテンのリズムを披露するSon De Maple

 

演奏で沸き上がったバラード駅の会場

 

和やかに挨拶を述べる岡井朝子在バンクーバー日本国総領事

 

絶妙のテンポで司会進行をするコリーン・クリスティーさん

 

挨拶をするVCBF の創設者リンダ・プールさん

 

ようやく咲き始めたバラード駅名物の「アケボノ」(Photo by Miyuki Nakamura)

 

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