2017年3月9日 第10号
16歳で開幕戦先発フル出場のデイビーズ(左)。今季の期待大。3月5日BCプレース
3月5日(BCプレース:19,083)
バンクーバー ホワイトキャップスFC 0 - 0 フィラデルフィア・ユニオン
前半は両チームとも決定的な好機もなく0‐0で後半へ。キャップスは59分にツートップを入れ替え得点力アップを目指したが、結局無得点に終わった。それでも無失点で引き分けへ。MLS7年目の開幕戦で初めての引き分けとなった。
16歳が躍動、新加入2選手も途中出場
今季の注目株はなんといっても16歳MFデイビーズ(#67)。昨季すでに15歳でMLSデビューを果たし、今季は開幕から左サイドで先発した。縦横無尽にピッチを駆け回り、ネット前でチャンスを作るなどフル出場の活躍。この日はゴールはなかったが、3月2日BCプレースで行われたCONCACAFチャンピオンズリーグ準々決勝ニューヨーク・レッドブルズ第2戦では開始早々に先制ゴールを決め、今季が楽しみな選手が現れた印象を残した。
一方、フィラデルフィア・ユニオンも20歳の若手成長株MFジョーンズ(#21)が大活躍。ユニオンのカーティン監督は、「両チームの若い選手に活躍の場があるのはMLSにとって良いこと」と語り、16歳デイビーズを起用するキャップスのロビンソン監督を勇気がある決断と称賛し、自チームのジョーンズは将来アメリカを背負う選手と絶賛した。
キャップス新加入のFWモンテロ(#12)とFWシィア(#20)も59分から二人同時に途中出場した。ツートップの同時入れ替えにロビンソン監督の期待の大きさが見える。2人とも2日のレッドブルズ戦で、すでにバンクーバーデビューを果たし、モンテロはゴールも決めている。
モンテロの名前が呼ばれると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。昨季まで中国スーパーリーグでプレーしていたコロンビア代表29歳は、今季1年のリース契約でキャップスに入団。昨季の得点力不足解消の切り札として期待されている。
しかし結局ゴールはなく無得点。それでもディフェンスが踏ん張ってなんとか引き分け。今季初勝利は次回にお預けとなった。
いよいよ開幕。それでも昨季の不安は拭えず
結局無得点に終わった。ロビンソン監督は「ディフェンスは非常に良くやった。特にクリスチャン・ディーンの働きは称賛されて当然」と守備陣が無失点で抑えたことを肯定的に捉えたが、表情は厳しかった。「チャンスを生かせなかったのは残念だった」と語った。
昨季のキャップスは西カンファレンス8位と精彩を欠いた。原因は得点力不足。前半は期待されたFW工藤が大けがで一時離脱。6月には2年目のFWリベロが移籍により退団。7月にはそれまで得点王だったMFマニーがケガで後半絶望と散々な状態だった。結局工藤も昨年12月末でJリーグ復帰のため退団した。
そうした中、得点力不足解消の切り札としてモンテロ、シィアを獲得。マニーもケガから完全復帰し期待されたが、結局決定的な得点チャンスは後半の1度だけでチームは無得点に終わった。
それにもまして消極的なプレーにファンがどよめいた。試合終了間際88分、コーナーキックからキャップスが押せ押せムードの中、ボールを回すMFジェイコブソン(#8)が中盤でパスを前に出さずにGKに戻した。これにはファンも不満の声を発した。結局無得点で引き分け。昨季の苦い思いがよぎる後味の悪い引き分けとなった。
(取材 三島 直美 / 写真 斉藤 光一)
3月のホームゲーム
3月18日(土)1pm トロントFC戦 日本人選手遠藤翼が在籍している。