2017年3月2日 第9号
2月26日、バンクーバー日本語学校並びに日系人会館において、BC州日本語教育振興会(JALTA)の主催によるお話発表会が開催された。JALTAの加盟校に通う生徒たちが日本語での発表を行い、日本語学習の意欲を高めると共に向上心を盛り立てることを目的としている。今年は30人の生徒が参加した。
発表会後、全員で記念撮影
楽しい内容のお話がたくさん
JALTAのベイリー智子副会長による開会の挨拶に続き、来賓の内田晃在バンクーバー日本国首席領事が挨拶に立った。その中で、お話発表会を見に来るのは3回目となるが、毎回さまざまな内容の話が発表されており、今回もとても楽しみにしていると述べた。そして、これからも日本語を学び続けて日本とカナダの架け橋となってほしいと生徒たちを激励した。
お話発表会の各参加者は、2〜3分程度の時間内に、身の回りで起きた出来事や身近な人のことについて話したり、ものごとに対する意見を述べたり、詩や物語の朗読などを皆の前で披露する。今年、小学科の部門では22人が参加。日本のアニメの話、ペットの話、旅行の思い出、趣味やスポーツの話など、多岐にわたる内容を、どの生徒もしっかりとした話しぶりで発表した。小学校低学年の生徒が一生懸命話している様子も微笑ましいし、高学年にもなってくると語彙も豊富になり自分の意見を日本語できちんと表現できることに感心する。
日本語を家庭で話さない生徒が対象の基礎科部門では7人が発表した。大好きな公園や学校の話、趣味のお菓子作りの話など、難しい単語も使いながらはっきりとした話し方で発表していた。中・高等科では1人だけの参加だったが、物おじせず堂々たる発表で締めくくった。
日本語学習の継続の大切さ
どの生徒たちもこの発表会に向けて、話したい内容を考えて原稿を作り、その原稿を暗記して大勢の人の前で発表する練習を重ねてきたであろうことがよく分かる。また、生徒たちを助けたり励ましたりするなど、日本語学校の教師や保護者の支えも大きいだろう。練習の成果を発揮する生徒たち全員に惜しみない拍手が送られた。
全員の発表が終わり、JALTAの馬目広三会長が、日本語で創造性のあるさまざまな内容の話ができるようになるためにも、学習を継続することの大切さを語ると共に、生徒たちが日本語を楽しく学び続けることができるようにJALTAも協力していきたいと語った。
最後は恒例の劇団「座・だいこん」による短編劇が披露された。演目は河童と似た言葉を並べた谷川俊太郎の言葉遊びの詩「かっぱ」。「かっぱ、らっぱ、かっぱらった」などリズム感のある言葉を、聴衆も一緒になって繰り返し、日本語の音の楽しさをみんなで感じることができる和やかな雰囲気で幕を閉じた。
(取材 大島 多紀子)
馬目広三 JALTA会長
内田晃在バンクーバー日本国首席領事
ベイリー智子JALTA副会長
劇団「座・だいこん」による劇