2017年2月23日 第8号
1月26日から2月3日まで、対日理解促進交流プログラム『カケハシ・プロジェクト』によりブリティッシュ・コロンビア州コキットラム市の高校2校から計15人の生徒が訪日した。
2月15日には在バンクーバー日本国総領事公邸で報告会が開かれ、参加生徒、引率教師、保護者に加え、コキットラム市長リチャード・スチュワート氏、コキットラム学区パトリシア・ガートランド教育委員長、事業実施団体であるアジア太平洋財団などのプロジェクト関係者約50人が出席した。この後3月には岐阜県立中津高等学校から18人が来加し、コキットラムの2校との交流やホームステイを予定している。
岡井朝子在バンクーバー日本国総領事(中央)、コキットラム市長リチャード・スチュワート氏(後列右から3人め)と『カケハシ・プロジェクト』に参加したコキットラム市のグレンイーグル高校とセンテニアル高校の生徒、学校関係者ほか報告会に出席したみなさん
文化体験を通して
外務省が行う『カケハシ・プロジェクト』は、カナダと日本の青年がそれぞれ日本とカナダで文化体験を行うことを通して相互理解・友好を深め、事後日本の魅力などをお互いに積極的に発信してもらうことが目的。
アジア太平洋財団ディレクターのクリスティーヌ・ナカムラさんの司会で行われた報告会で冒頭の挨拶をした岡井朝子在バンクーバー日本国総領事は、まず『カケハシ』の意味を説明し、国と国との友好関係において、この青少年交流事業が大切な役割を果たしていると述べた。
「昨年春に着任してまもなく、ある日本人留学生から積極的なアプローチがありグレンイーグル高校に伺いました。『日加友好イベント』で日本文化に対する生徒たちの熱心な取り組みを知り、ここに既に芽生えている友好の種を大きく育てたいと思ったのです」とプロジェクト参加校のいきさつについて語った。
コキットラム市の高校
今回『カケハシ・プロジェクト』に参加したのは、コキットラム市のグレンイーグル高校とセンテニアル高校の10年生から12年生の生徒計15人と引率教師2人。
グレンイーグル高校卒業生で、福岡県出身の大山武将さんは3年間の留学中『日本文化クラブ』を設立し、熊本地震救済募金活動などを行い、福岡県立八幡高等学校との姉妹校提携調印にも貢献した。
「海外に出てお互いの文化を理解する技術を身につけるのは大切なことです。あなたたちは明日へのリーダーです」と、コキットラム学区パトリシア・ガートランド教育委員長も国際教育を後押しする。
日本に魅せられて
一行は東京や福岡県で観光したほか、福岡県立八幡高等学校と福岡県立玄界高等学校の生徒と交流しホームステイを体験。
「お互いブロークンな日本語と英語でしたが、ホームステイの家族が本当に親切だった」「日本語を勉強して将来はJETプログラムに参加したい」「千葉工科大学でロボットを見学した。日本のトイレの技術は素晴らしい」「日本人の丁寧さ、伝統を大切にすることを学んだ」など、日本での体験、日本の魅力を目を輝かせて発表した生徒たち。
スチュワート市長が「相互理解に乾杯」と乾杯の音頭を取り、日本を話題に楽しい会話が続いた。
(取材 ルイーズ 阿久沢)
(左から)コキットラム学区パトリシア・ガートランド教育委員長、グレンイーグル高校ダグラス・マンセル先生、グレンイーグル高校ケン・コーバー校長、岡井朝子総領事、センテニアル高校ナオコ・マーティン先生、センテニアル高校ジョン・ブルノー校長
(左から)日本での体験を報告をするキランさん、クリスさん、アリシアさん。日本人の母親を持つクリスさんは今回実際に日本を肌で感じ、浅草のスカイツリーがすごいと印象を述べた