2017年1月26日 第4号
1月19日、建友会の新年会が、バンクーバー市の日系ガーデナーズ協会会館で開催された。日系の建築、建設関連企業のプロ集団「建友会」は発足して5年目、新年会の開催は4回目である。昨年11月10日の年次総会で、3代目の新会長として吉武政治氏が就任して初めての新年会となった。岡井朝子在バンクーバー日本国総領事と夫君の岡井知明氏をはじめ、日系コミュニティの代表者も数多く参加し、総勢60人を超えていた。来賓、建友会役員の紹介、ビュッフェスタイルの食事やクイズなどで楽しむ一方、岡井総領事のスピーチや吉武会長が語った抱負に、参加者全員が鼓舞された新年会であった。その一端をご紹介したい。
吉武政治建友会会長
●「建友会の活躍を通じ、日本の建築業界の評価をさらに高めていただきたい」
岡井朝子在バンクーバー日本国総領事
明けましておめでとうございます。昔から、酉年には、いろいろな変化が起きるといわれます。世界の政治を見ても、明日1月20日には、アメリカは政権交代、新大統領が就任します。今年、ヨーロッパの主要国も大統領選挙や議会選挙を控え、ここBC州でも議会選挙が行われ、日本でも可能性があります。株式市場は、乱高下の相場といわれ、酉年には、大災害が起きたこともあります。不透明感が強いのですが、その一方、酉年は、商売繁盛の年だといわれます。それは、『トリ込む』や『羽ばたく』にちなんだ縁起の言葉ですが、ぜひ皆様の発展の年にしていただきたいと思います。
在バンクーバー日本国総領事館としてもビジネス促進にお役に立ちたいと考えております。たとえば、昨年11月には「防災について耐震、免震、制震の日本の建築技術をこのバンクーバーに広められないか」という思いから日本をリードする学会、業界、官界の専門家の方々をお招きし、ラウンドテーブルをUBCで開催するとともに、建友会の皆様にお声掛けをしてそのミニ版を公邸で開催しました。日本の専門家の方々もバンクーバー研究会を設けるといってくださっており、引き続き防災について取り組みを継続していきますので、建友会のご協力をお願いします。当地にマグニチュード9級の大地震が、今後50年間に来る確率が30%といわれていますが、準備は不十分です。何しろ前回の大地震が1700年。300年を超える昔のことで危機感も希薄です。在留邦人の方々へは、安全面の情報も積極的に提供していきます。 また、かねてより100年を経過した総領事公邸の修繕を建友会にお願いしておりますが、今年は、屋根のふき替えや屋内配線の工事計画の具体化を進めます。また、公邸に本格的な日本庭園を整備するのが悲願なのですが、最近、国交省がインバウンド観光促進のために海外にある日本庭園の修復プロジェクトを立ち上げたことから、ここバンクーバーの公邸に予算をつけてもらえないか画策しています。このように総領事館としても皆様の商売繁盛のきっかけづくりに励んでおります。ぜひ、建友会の活躍を通じて、日本の建築業界の当地での評価を上げてください。
●「日系の建築、建設関連のプロ集団としての誇りを持って飛躍したい」
吉武政治建友会会長
建友会が発足して4回目の新年会となりますが、これまで三河慎修初代会長、そして伊藤公久会長が、この5年ほどの間に「建友会」の名が日系コミュニティに広く知られるように育てていただきました。この度、私が選出されましたが、まずは、これまで育ててこられた名を汚さないように、と気を引き締めているところです。
何かと話題の多いトランプ氏が、アメリカの新大統領に就任されるについては、カリフォルニアにあるソーラーパネルのメーカーの知人は、環境問題がおざなりになるのでは、と心配しておりました。そうした不透明感があるなかでも、私たちは、「サステイナブル」の問題は継続して研究し、その知識を血肉にした、他とは一歩も二歩も違う建築、建設のプロ集団として、飛躍したいと思います。また、私たちには、「日系」というアドバンテージがあります。「日系人の技術力ならまちがいない」という定評を基礎に、さらに切磋琢磨していきましょう。
(取材 笹川 守)
岡井朝子在バンクーバー日本国総領事
乾杯の音頭をとる岡田伸平バンクーバー日系ガーデナーズ協会会長
全員が元気!健啖家ぞろい!