2017年1月26日 第4号
1月21日、ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の日系文化センター・博物館で、グレーター・バンクーバー日系カナダ市民協会(JCCA)が主催する恒例の敬老会が開かれた。約170人が参加し、食事や歓談、各種の催し物を楽しんだ。
食事を楽しむ参加者のみなさん
楽しみにしている人がたくさん
JCCA会長のロレーン及川さんが開会の挨拶をした後、岡井朝子在バンクーバー日本国総領事が、新しい年が繁栄と幸せをもたらしてくれるように祈願し、乾杯の音頭を取った。参加者は黒豆、田作りなどお節料理の品々も入ったおいしいお弁当を楽しみながら歓談のひと時を持った。敬老会を支えるボランティアの人たちは年齢も人種もさまざまで、世代などを超えた交流の場になっている様子がうかがわれる。今回敬老会の司会進行も務めたロレーン及川さんはこの敬老会について、「みなさん、とても楽しみにしてくれています。開場時間よりずっと前から来ている人もたくさんいます。食事や催し物を楽しむだけでなく、久しぶりに会う人と会話を楽しんだりする姿が見られ、社交の場にもなっているのです」と話す。
日系カナダ人の 歴史に貢献
今年は日系カナダ人がBC州内陸部へ強制移動させられた1942年から75年の節目を迎える。日系カナダ人が通ってきた苦難の歴史を広く知らしめ、BC州政府からの謝罪を求める運動に貢献したロイ・イノウエさんとトシ・スズキさんに、JCCA人権委員会から表彰状が授与された。表彰に先立ち、来賓のナオミ・ヤマモトBC州緊急事態対応州務大臣 (ノースバンクーバー・ロンズデール地区州政府議員)とカトリーン・コンロイ州政府議員(クートニーウエスト地区)がそれぞれ挨拶した。他界されているロイ・イノウエさんに代わって、娘のロリ・ノースさんと、アデル・マックニールさんが表彰状を受け取り、ロイさんが生前さまざまなコミュニティ活動に携わっており、その姿から学んだことは多いとスピーチした。そしてトシ・スズキさんは、ロイさんと一緒に、日系人強制移動に対する謝罪を求めてロビー活動をしたことなどの思い出を語った。
楽しい催し物がいっぱい
JCCAの理事の1人でもあるチカ・バストンさんが、ピエール・グメスさん、さわぎ太鼓のメンバーと共演し、「上を向いて歩こう」「赤とんぼ」などを演奏、優しい歌声と美しいギターの音色が心温まるステージとなった。続いてさわぎ太鼓が、ステージ上を軽やかに動き回りながら活気あふれる太鼓演奏を披露。会場全体が参加するラジオ体操で体を動かした後は、最年長の男性、女性と、酉年生まれの人に景品が贈呈された。またドアプライズ当選者も発表された。最後は、桑原モコさんがリードし、中堀忠一さんによるピアノ演奏に合わせ、「春のうた」「ふるさと」などを歌った。会場の参加者も一緒に歌い和やかな歌声が会場に響いた。JCCA副会長でもあり、敬老会の実行委員長として長年活躍しているエイプリル・シミズさんはじめ、多くのボランティア、協力する団体や企業の尽力があって、今年も素晴らしい会となった。
(取材 大島多紀子)
乾杯の音頭を取る、岡井朝子在バンクーバー日本国総領事
JCCA会長のロレーン及川さん
ナオミ・ヤマモトBC州緊急事態対応州務大臣
カトリーン・コンロイ州政府議員
スピーチをするロリ・ノースさん、アデル・マックニールさん、トシ・スズキさん、エイミー・スズキさん(右から)
右からチカ・バストンさん、ピエール・グメスさん、さわぎ太鼓のメンバー
表彰を受けたロイ・イノウエさんの娘さん、ロリ・ノースさん(右)とアデル・マックニールさん
表彰を受けたトシ・スズキさんと奥様のエイミーさん
さわぎ太鼓による演奏
会場内で最年長の男性、リン・ヒー・ユンさん
会場内で最年長の女性、サヨ・ハットリさんはドアプライズも当選