2017年1月12日 第2号
ガラス作家及び、ミクストメディア作家として活動するえみさんは、ガラスコミュニティが国際交流豊かな世界だったことをきっかけに、英語学習に興味を持つようになった。現在、ワーキングホリデー制度を利用しカナダのバンクーバーに滞在中。
バンクーバーで所属している共同工房『Terminal City Glass Co-op』でガラスの羽根のデモンストレーションをしている藤田えみさん
「こちらへ来る前は、工房レンタルをして作品制作を継続しながら、英語の勉強ができたら良いなぁとしか考えていませんでしたが、この1年間で2度の展示発表や、クラフトフェアへの出店に恵まれました。デモンストレーションやスライドショーをさせていただく機会、委託販売先様との出会いにも恵まれ、『アーティストのワーキングホリデー』と考えると大充実でした」とえみさん。
また、旅行と研修の意味を兼ねて、1年の半分近くを北米各地のガラス作家宅にて過ごし、多くの経験を得た。
「出向いた先々で出会った人や何かがまた次に繋がっていく、運命に導かれた1年でした。それぞれの土地が持つ空気感や見てきたことやモノ、人との触れ合いといった記憶を今後の作品づくりに落とし込んでいきたい」とのこと。次回作にも期待が高まる。
えみさんは渡加以来、バンクーバーでシェア工房に所属している。バンクーバーは人種のモザイクと表現される移民の町。ここで感じるのは、良い意味での個人主義。人々は自分の好きなことや、生き方を大切にし、お互いを尊重しながら生きている。
「ガラスとの関わり方も人それぞれ。多種多様な背景を持つ人々が工房を共同運営しながら各々の作家活動を継続する姿はとても印象的でした」とえみさん。異国でのガラス工房の在り方にも刺激を受けたようだ。
今後の抱負をたずねると「勇気を持って、私のやるべきこと、したいことに毎日全力で取り組みたいです。今はただ、お世話になった方達に感謝の気持ちでいっぱいです。この場をお借りして、ありがとうございます!」との答えが返ってきた。えみさんのこれからの活躍が期待される。
(取材 北風 かんな)