2016年12月1日 第49号

11月24日、在バンクーバー日本国総領事公邸でJETプログラム帰国者を迎えての歓迎レセプションが開かれた。プログラムに参加した帰国者の他に、木曜会、JCCA、ジャパンフェア実行委員会、日系文化センター・博物館などの団体からの代表者、JETプログラム同窓会BC・ユーコン支部(JETAABC)のメンバーなど、約45人が集い和やかに交流を深めた。

 

岡井朝子総領事(中央)と今年帰国したJETプログラム参加者

 

◆たくさんの思い出とともに帰国

 JETプログラムは今年で30周年を迎える。1987年のプログラム開始以来、65カ国から6万2千人以上が参加している。カナダからの参加者はアメリカに次いで2番目に多く、現在約500人が日本で英語の指導助手、または国際交流員として従事している。今年日本からバンクーバーに帰ってきたのは28人で、そのうち12人がこのレセプションに参加した。JETプログラムは1年から最大5年まで延長可能なため、帰国した人たちの日本滞在期間もさまざまだ。

 レセプションの冒頭で、岡井朝子在バンクーバー日本国総領事が、JETプログラム参加者に対し日本とカナダのかけ橋となっていることに謝意を表した。そして、各々の貴重な体験を活かして、今後も日本とのかかわりをぜひ継続してほしいと述べた。続いて、ロジャー・レミレー日系文化センター・博物館事務局長が挨拶をし、JETプログラムでの経験を生かして、日加の良い関係性を保つため地域コミュニティに貢献してほしいと述べた。

 帰国したプログラム参加者もそれぞれ短いスピーチをして日本での思い出を披露した。「和太鼓のグループに参加して楽しい経験をした」、「市長の通訳として世界各国へ出張したのも良い経験となった。熊本地震にも遭遇して怖い思いもしたが、日本での生活はとても実りのあるものだった」、「幼稚園から高校までいくつかの学校で働いたので、たくさんの生徒や保護者に出会えた」、「JETプログラムには2回参加。合気道を習っており、日本の道場でいろいろな年齢の人たちと触れ合えたのも楽しかった」など、みなさまざまに日本での生活を謳歌したことがうかがえた。JETプログラム同窓会で理事を務めるグレッグ・ジョーキンさんが、同窓会のメンバーによるイベントなどを紹介、今回の帰国者への歓迎の意を述べると共に、JETプログラムのますますの発展を祈って乾杯の音頭を取った。

 

◆参加者たちの今後に期待

 レセプションの参加者は、おいしい食事を楽しみながらそれぞれに歓談のときを持った。兵庫県宍粟市に1年間滞在したビビアン・リーさんは、700人ほどの生徒が通う高校で、英語の指導助手として働いたという。日本の高校生たちは、自由に発想して進めるアクティビティよりもきちんとしたルールや決まりごとがあるほうが得意なようだとして、アクティビティを考えるのが少し苦労したという。ただ、早口言葉は楽しんでもらえたようで発音の強化にも役立ったそうだ。また、学校の行事にもっと関わりたいと思ったが、英語の先生以外は英語が話せないため、先生たちとの交流があまりできなかったことが残念だったと語る。滞在中は日本の文化をいろいろと教えてくれる人に巡り合えて、興味深い体験をすることができたといい、またぜひ近いうちに日本を訪れたいと語ってくれた。

 民間の外交官としての役割を十分に担っているといえるJETプログラムの参加者たちが、今後も日本との関係を大切にしながら、各分野で活躍することが大いに期待される。

(取材 大島多紀子)

 

挨拶をする岡井朝子在バンクーバー日本国総領事

 

スピーチに聞き入るレセプション参加者たち

 

JETプログラム参加者のみなさん。左からマナ・ハリームさん、ビビアン・リーさん、アンドリュー・リビングストンさん

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。