2016年11月3日 第45号
省エネ、アベノミクス、クールジャパン—日本の魅力と現在の日本の姿を紹介する「歩こうカナダ、語ろうニッポン(Walk in Canada, Talk on Japan)」の団員一行が初めてカナダを訪問した。バンクーバーでは、10月27日、在バンクーバー日本国総領事公邸において団員たちが初めてのプレゼンテーションを行なった。
写真左より柚木団員、片山団員、藤崎団長、岡井総領事、木水団員
内閣府広報室の企画で
日本の内閣府が運営する事業「歩こうカナダ、語ろうニッポン」の目的は「日本の魅力や元気な今の日本の姿を民間交流によって北米に広めること」。2014年から「歩こうアメリカ、語ろうニッポン(Walk in U.S., Talk on Japan)」としてスタートしている。
語り手は公募による選考を通過した人たち。18歳学生から82歳の女性まで、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちが、有識者のリーダーと共にチームを組み、1週間程度かけて数都市を回っている。これまで団長6名、49名からなる14チームがアメリカの27州29都市で日本を語った。今回のカナダ訪問メンバーは藤崎一郎団長(元駐米大使)、柚木克哉団員(不動産業、元日本酒プロモーター)、片山加奈子団員(法律事務所、住友商事勤務経験有)、木水恵梨奈団員(資生堂)の4名だ。
団員それぞれの関心と強みを生かしたテーマ設定
総領事公邸にはこの日、日本で英語を教えるJETプログラムの経験者や日本で企業研修を行う日加コープ・プログラムの経験者など45人が集まった。会は冒頭で岡井朝子在バンクーバー日本国総領事の挨拶の後、藤崎団長の挨拶に続き、団員3人がそれぞれに日本の紹介を行なった。
片山団員は住友商事で電力事業部門に勤務した経験から、日本の省エネルギーへの取り組みに焦点を当てた。柚木団員は「震災やデフレなどに見舞われた日本だけれども、今、日本の経済は回復してきているというメッセージを皆さんに伝えられたら」と日本の経済概況と経済政策を紹介。木水団員は自身の勤める資生堂でグローバルマーケティングを担当。その仕事の中で「日本の価値をどうやって伝えられるか」を探っている。その関心から日本に存在する魅力的な事物やサービスである「クール・ジャパン」を取りあげ、発表した。(経済産業省が「クールジャパン政策」を推進中)。
今の日本の姿を 市民が伝える
その後、JETプログラム同窓会ブリティッシュ・コロンビア州、ユーコン準州支部顧問のマイク・ダーリーさんが歓迎の挨拶を行い、団員たちと参加者との自由な交流の時間となった。 チームを率いる藤崎団長は一行の目的をこう語る。「ご覧の通り、団員は公務員でも政治家でもない人たちです。こうした今の日本の社会にどっぷりつかっている人から、日本の抱えている問題も強みも含めて、今の日本を海外の人に伝えようということです」。団員らによるプレゼンテーションについては、次回のレポートで紹介予定。
(取材 平野 香利)
外務省北米局長や駐米大使を 歴任した藤崎一郎団長
歓迎の言葉を述べるJETプログラム同窓会支部顧問のマイク・ダーリーさん
木水団員が紹介したクールジャパンのスライドから