『ユダヤ人大富豪の教え―幸せな金持ちになる17の秘訣』などの著作が累計発行部数700万部を突破した本田健さんが、5月29日、バンクーバー・ダウンタウンのリステルホテルで講演会を開催した。ユーモアあふれるソフトな語り口で、ポジティブなメッセージを送る本田さんの話に、会場を埋めた110人の参加者は熱心に聞き入っていた。

 

本田健さんの講演への申し込みはあっというまに定員となった

 

大好きなことをやって生きる

 この講演は、スターツとけーたい屋が主催、リステルホテルの協力で行われた。スターツは「海外で挑戦している人」にフォーカスをあて、その活動や体験談などを発信している。

 「大好きなことをしてワクワク生きる」ためにはどうすればいいか。どの人にも才能というものがあり、それをどう活かしていくかが必要だと本田さんはいう。才能というのは「自分が自然にできること」「他の人より上手にできること」「その人の人生の表現方法」「その人の幸せの源泉」「人を喜ばせること」と定義する。そして、好きなことをして最高の人生を生きるためには、「複数の才能を磨いてかけ算する」「メンターについてスキルを習得」「自分に合った願望達成法を身につける」「運を管理して強運を呼び込む」ことが大切という。

 メンター(助言者、師匠などの意味)の存在は、「ライフワークの深め方がわかる」「成功のイメージが具体的になる」「人としての在り方や人間関係が学べる」などといった利点がある。そして、理想のメンターに出会うための方法や、メンターになってほしいと思う人にどのようにアピールするかということも説明した。

 「運」というものは、人生の幸福を生み出すものであり、大きなエネルギーを持っている。そしてコントロールすることが可能なものでもある。運のいい人とつきあったり、大好きなことをすること、いまある豊かさに感謝する心を持ち、目の前のことに集中することで、強運を呼び込めると本田さんは語った。

 質疑応答でもたくさんの質問が寄せられた。続いてサイン会も行われ、長い行列ができていたにもかかわらず、本田さんはひとりひとりに丁寧に対応していた。この講演の前日には、バンクーバーで初の英語での講演もこなした。現在は、英語による著書の執筆もしているという。将来を見据え、運をみずから引き寄せていく、ポジティブな姿勢に参加者は力強いメッセージを受け取ったといえそうだ。 

 

本田健さんインタビュー

―家庭の主婦やサラリーマンを続けながら、ワクワクする生き方をするにはどうすればいいと思いますか?

「人の生き方は『好きなことをする人生』、『しない人生』と2つに分かれると、若い頃にメンターから教わりました。どちらがいいとか悪いという問題ではなくて、生き方の種類が違うといえます。人生は平等に選択できるんです。でも本当にやりたいことをして生きるためには、会社にいては無理な場合がほとんどです。私の専門は、『自分の才能を使って、経済的にも自立しながら幸せに豊かに生きる方法』を伝えることです。すべての人が自由業になれといっているわけではないんです。人生にはいろんな選択肢があります。会社員としてやっていくにはそれなりのルールがあります。自由業でやっていくためにもスタイルや方法があり、それを学ぶ必要がありますが、それを教えてくれるところはほとんどありません」

―『心のチキンスープ』シリーズの著者の1人であるジャック・キャンフィールドさんをはじめとする世界的に有名な方との交流もあるとのことですが、こうした方と一般の方との考え方の違いはありますか?

「やはり、普通の人とは見ている世界が違うんですよね。たとえば、ジャック・キャンフィールドさんはすでに大金持ちで、リタイアしてもいいような年齢ですが、『これから百万人のリーダーを育てたい』と話されています。この世界には自分らしく生きるリーダーが必要だと本当に思っているんです。本当に自分の人生が満たされて幸せな人は、周りの人を幸せにしたり、世界の将来のことを真剣に考えることに目が向いてくるんですね。人間は『儲かった』というだけでは、満たされないんです。誰かに喜ばれる、感謝されることがその人の生きがいにつながると思うんですね」

―人生の中での失敗談はありますか?

「たくさんあります。これをやったらどうなるかとシミュレーションして、考えたことの9割くらいは頭の中で考えてる時に失敗しています。実際にやってみて、その中でまた失敗することもあります」

―失敗してがっかりしてしまうこともあると思いますが、そこから立ち直る秘訣はありますか?

「がっかりすると未来を信じられなくなりますよね。そんなときこそ、自分の最高の未来を思い出すようにしています。これから海外での出版も考えているので、そういう意味では、まだスタート地点に立っていると思っています。日本の作家でも(作品が翻訳されることはあっても)英語で自分で書いて出版する人はほとんどいないのが現状です。このような全く新しいことに挑戦できるというのはとてもワクワクすることです。うまくいくかどうかは分かりません。失敗するかもしれない。でも、もしチャンスがあるのならやってみたいと思っています。失敗をしつつも、いつも最高の未来を見て進んできた自分の姿を、娘にも見ていてもらいたいと思っています」

(取材 大島多紀子/写真提供 アイウエオフィス)

 

本田健さんプロフィール:神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。「お金と幸せ」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談〜Dear Ken〜」は2,200万ダウンロードを記録。
代表作に『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房刊)など、これまでに著書は100冊以上、累計発行部数は700万部を突破している。
本田 健 公式サイト:http://www.aiueoffice.com/

 

ベストセラーの「ユダヤ人大富豪の教え」カバー

 

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