ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の日系文化センター・博物館において5月29日、グラッドストーン日本語学園の第45回卒業式並びに学芸会が華々しく開催された。45年の歴史を誇るグラッドストーン日本語学園、ことしの学芸会の見どころについて村上陽子学園長は、アニメを特集した演目と、教員も必死で練習したソーラン節、そして、ことしから家庭で日本語を話さない環境にいる生徒が中心のクラス、基礎科が参加することだと話す。参加した午前の部・午後の部合わせて約380人の生徒たちの演目それぞれに会場を満たした大勢の保護者から熱心な拍手が送られた。

 

卒業生集合写真

 

元気いっぱい、午前の部

 午前の部は2歳児から2年A組までの発表。どの学年も元気いっぱいで練習の成果を楽しく発表。『忍者ハットリくん』や『日本むかしばなし』など保護者らにも懐かしい日本の曲に合わせて、遊戯や歌を披露。我が子の晴れ姿をカメラに収めようとする観客席の熱気と生徒たちの熱気は午前の部最後の演目『小さな世界』で最高潮となった。約200人の生徒が手話付きで歌う『小さな世界』では元気な歌声が会場に響き渡り、客席から惜しみない感動の拍手が送られ午前の部は終了した。

 

希望を胸に、卒業式

 にぎやかな午前の部とは一転して、正装に身を包んだ卒業生たちが、誇らしい態度で並んだ卒業式。ことしは小学科26人、中学科20人、高等科8人の計54人が卒業を迎え村上学園長から卒業証書を受け取った。続いて、在バンクーバー日本国総領事岡井朝子氏から「今後、日本とカナダの架け橋となって両国の一層の絆を結んでほしい」また、日系文化センター林光夫会長から「日本の勉強を続けて日系社会に貢献してほしい」とそれぞれ祝辞が贈られた。小学科と中学科から代表が2人ずつ、高等科は卒業生全員から卒業の言葉を発表。日本語学習の大変さを振り返ると共に、日本語を学んでいくことの素晴らしさをそれぞれの言葉で上手に表した。どの生徒も流暢な日本語で発表していたのが印象的だった。最後に村上学園長から、卒業した3人の先輩たちを例にとって「希望に向かって努力すれば必ず報われます。夢が実現できるように諦めないで自分の進む道を頑張ってほしい」と激励し、「卒業した生徒が親となり、その子供たちがまた卒業する。2世・3世に日本の文化を継承できることをうれしく思う」と締めくくった。

 

生徒たちが運営する午後の部

 2年B組から高等科上級までが発表する午後の部は司会も舞台準備も全て生徒が運営する。そこが午前の部や卒業式とは異なるところ。『ドラえもん』、『ちびまる子ちゃん』、『一休さん』に『サザエさん』といったアニメシリーズはどれも趣向が凝らされており、笑いを誘うものから、納得させられるものまであり観客を楽しませた。そのあとは中学3年、高等科、そして、ことしは教員が参加した『ソーラン節』。生徒たちに負けない、教員たちの気合いの入った迫力のある踊りで会場を興奮の渦に巻き込んだ。最後は午後の部生徒全員で歌う、東日本大震災復興支援ソング『花は咲く』。総勢約180人の心に響く歌声が会場を包み込み、感動冷めやらぬ間に学芸会は終了した。生徒たちと家族は昨日までの雨が嘘のように晴れ渡った青空の下、晴れ晴れとした笑顔で帰っていった。

(取材 福安 恵子)

 

3歳児によるアンパンマン音頭(写真提供 グラッドストーン日本語学園)

 

午後の部全員で歌う『花は咲く』

 

在バンクーバー日本国総領事岡井朝子氏による祝辞

 

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