5月7日、バンクーバー・ホワイトキャップスFCはBCプレースで、ポートランド・ティンバースと対戦し2-1で勝利した。先発出場した工藤壮人(まさと)選手は、メジャー・リーグ・サッカー(MLS)で待望の初ゴールを決めた。

 

60分、MLSで初ゴールを決める工藤選手

 

5月7日(22,120)
バンクーバー ホワイトキャップスFC  2 - 1  ポートランド・ティンバース

 前日に26歳の誕生日を迎えた工藤選手の初ゴールは、後半に入ってからの60分で。相手ゴール前のこぼれ球を、落ち着いてゴール左隅に蹴りこんだ。

 ゴールを決めたあとは、スタンドで応援するホワイトキャップスのファンに右手を突き上げて喜びのポーズを見せ、駆け寄る選手たちの祝福を受けた。

 そのあとベンチ前へ全力疾走して、控えの選手と一緒に相撲の「四股踏み」のパフォーマンスを披露、記念すべきバースデーゴールを全身で表現した。

 キャップスはこの日も、ワントップのFWに工藤選手を置く4ー2ー3ー1の布陣で臨み、18分にはFW工藤選手が相手ディフェンスから奪ったボールをシュートするが、ティンバースのGKグリソン選手にキャッチされる。

 20分台にもキャップスの選手は3本のシュートを放ったが、ゴールネットを揺らすことができない。

 逆に34分、キャップスのゴール前でティンバースのMFナグベ選手がワンツーパスを受けゴール右隅に蹴り、走り込んできたFWアディ選手がそのボールを押し込み、ティンバースが先制。 

 その後も、キャップスはコーナーキックなどからゴールをねらうが、GKグリソン選手の好セーブにもはばまれ、前半が終了。               

 後半に入っても好機はあるものの得点に結びつかない中、60分に相手ゴール前でMFテチェラ選手の縦パスが相手ディフェンスに当たり、FW工藤選手がそのこぼれ球に素早く反応、GKの位置を見ながら左足で落ち着いてゴール左隅に蹴りこみ1ー1の同点とした。

 そして66分、FW工藤選手からパスを受けたMFボラニオス選手が、相手ゴール前にいたMFペレス選手(途中から交代出場)にループパスを通し、ボールはGKグリソン選手の足元にこぼれて直接ゴールイン、2ー1と勝ち越す。

 77分にFW工藤選手は、FWリベロ選手と交代。

 試合はこのまま2ー1で終了し、FW工藤選手の試合の流れを変えた同点ゴールと、MFボラニオス選手の今シーズン3点目となる勝ち越しゴールで勝利した。  

 初ゴールについて工藤選手は「今はとにかく幸せです、他の選手のサポートがあったおかげで得点できました。監督の起用にも応えられて良かったです」とホッとした表情を見せた。

 今まで点を取るチャンスがあり、またアンラッキーなところもあったと思うが、という記者の質問には「チームのために一生懸命プレーしていれば、いつかは点が取れるだろうと思っていました」ときっぱり。 

 前日の誕生日については、他の選手たちから「明日はゴールできるといいね、期待しているよ」と言われていたという。ロビンソン監督も会見で「工藤はすばらしいバースデー・ゴールを決めてくれた。彼からは昨晩『明日はゴールを約束します』と連絡をもらっていたからね」と笑顔で語り、そのコメントを聞いた工藤選手も「有言実行ができてよかったです」。 

 ゴール後の四股踏みのパフォーマンスについては、「僕がゴールを決めたら一緒にやろう、と何人かの選手が言ってくれていたので、彼らの期待にも応えられました」と笑みを浮かべていた。

(取材 古川 透)

 

 

初ゴールを決めたあと、ベンチ前で控えの選手とともに『四股踏み』を見せる工藤選手(右端背番号⑨)

 

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