前任の小林貴之氏に代わって、2月よりJALバンクーバー支店長に着任した太田裕之氏に話を聞いた。
座右の銘は“ONE FOR ALL, ALL FOR ONE”だという太田裕之(おおた・ひろゆき)氏
米州路線の役割
JAL国際線収益の中で大きな比率を占める米州(カナダ・アメリカ)路線。北米ーアジア間の人の動きは活発で順調に搭乗数を伸ばしており、同社の米州路線は現在高い座席稼働率を保っている。今後についてはどうか。「日本の人口減少が見込まれる中、海外から日本へのお客さまを増やすことは重要なポイントです」。また日本を目的地としてだけでなく、北米からアジア諸都市への中継地点としてもさらに利用を促したいという。
経営破綻を経て
2010年の同社の経営破綻、そして再生。その経験を太田氏はこう語る。「破綻を経験したからこそ、JAL社員の意識が改革できたと思います。現在、『JALフィロソフィ』と『部門別採算』を改革の柱としてさらなる成長を目指しています。また『人間として何が正しいかで判断する』という考えが、社内に必然的に生まれました」。
支店長着任の抱負
破綻後の同社は、2017年3月までの再生中期経営計画の達成が独り立ちの証しとなる。ここまでは順調に目標をクリアしてきた。「2016年度も計画の完遂に向けて果敢に挑戦していきたい」。取り組みの柱は三つ。安全確実な運航の堅持と最高のサービスの提供に徹すること、地域を超えて活躍できる人財の育成、そしてカナダでのJALの認知度を高め、新たな顧客層を開拓していくこと。「世界で一番選ばれ、愛される航空会社」を目標に全力投球の姿勢だ。
<経歴>
静岡県生まれ、千葉県育ち。早稲田大学商学部卒業。1990年JAL入社。福岡空港、神戸各支店、国際旅客販売部/業務部、JAL Passenger Services America(出向・ロサンゼルス)、JALナビア(出向)、ニューヨーク支店営業所長・総務部長の職を経て、現在に至る。
趣味は愛犬(ミニチュアダックス)との散歩とスポーツ観戦。
(取材 平野香利)
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