4月30日(土) 日系センターにて

 

バーナビー市の日系センターで開かれたセミナー。 今回も同じ場所で開催する

 

 日本にある資産や財産、将来的に相続する予定のある遺産などに対して、海外にいる自分がどんなことを、いつ、どのように対処すればいいのか。そうした問題に直面した人も多いことでしょう。海外生活が長くなるにつれ、日本の状況はつかみにくくなります。今や、インターネットが普及して世界のどこからでもさまざまな情報を得ることが可能となりました。しかし、ネット上にあふれる情報は玉石混交。本当に信頼のできる情報かどうか、真偽を確かめるのはなかなか難しいことです。

 大阪府豊中市で司法書士事務所をかまえる藤永淳一さんは、2012年にカリフォルニア大学アーバイン校に留学した際、現地の日系人や日本人にとてもお世話になったとのこと。異国の地で暮らす日本人の方々に何か自分が役に立てることはないかと思い、こうしたセミナーの開催を企画することになったということです。現在は年に数回、ロサンゼルスやシカゴでセミナーを開催するほか、カナダ・バンクーバーでは2014年10月に第1回目のセミナーを行いました。以後、年に2回のペースでカナダを訪れ今回が4回目となります。  

 セミナーでは、日本国内での相続手続きをメインテーマとし、法定相続分、遺留分などといった基本的な法律のきまりごとから、資産整理のポイントなど、実例を混ぜながら分りやすく説明。また、宅地建物取引士の資格も持っている藤永さんは、不動産関連の知識も豊富です。資産として土地を持っていることが必ずしも良いとは限らない例など、「なるほど!」と思える興味深い話もたくさんあります。また、最近問題になっている空き家問題など、海外からでは把握しにくい日本の現状についての話も聞くことができます。

 前回までのセミナーでは、法律に関する総論的な内容を多く含んでいましたが、今回はより実践的な内容を盛り込むとのこと。日本での相続が発生するとなると、いつまでに何をどうしたらよいのか、何をどのように、誰に依頼すればいいのかといった、より具体的な話を紹介していきたいとのことです。

 日本に住んでいても、相続に関する問題は時に争いにつながることもあるほど、難しい点が含まれています。ましてや海外にいては、諸手続きがスムーズに出来ず、頭の痛い問題になりかねません。いつか自分の身にも降りかかってくるかもしれないが、何をどうしたらいいのかわからないという人も多いかと思います。そんなとき、相談できる人がいるのは心の安心につながります。今回のセミナーでは、可能な範囲で個別相談にも応じてくれるというので(事前に予約が必要です)、心配なことや相談したいことをお持ちの方はぜひお申し込みください。

 藤永さんは、Eメールでの相談窓口も開設しており、メール会員に登録(登録料や年会費は無料)すると、相談を受け付けてくれるほか、制度の改正やニュースなども随時お知らせしてくれます。もしも将来、自分が資産管理や相続に関することで困ったことが起きた場合、日本の実情に通ずる相談相手がいると思うとそれだけで安心できるのではないでしょうか。ぜひセミナーに参加してそのことを実感して頂けたらと思います。

(記事提供 あけぼの法律事務所・ バンクーバー連絡先)

 

「日本国内での資産管理と遺産整理について」
日時:4月30日(土)午後2時〜3時10分(1時45分から受付開始)
場所:日系文化センター・博物館(6688 Southoaks Crescent, Burnaby) さくらルーム
参加費無料ですが、事前に申し込みが必要です。
参加申し込みは、This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it. または、604-862-9082、金谷(かなたに)まで。 参加者氏名、ご連絡先電話番号(差支えなければご住所)をお知らせください。

 

ロサンゼルスで開催されたセミナーの模様

 

System.String[]

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。