着付けデモンストレーション、ファッションショー、講習会に物品販売…着物の魅力に迫るイベント「着物ショー」が4月3日、日系文化センター・博物館で行われた。
ショーの後半に登場したモデルたちが勢揃い
着付けデモンストレーション、ファッションショー、講習会に物品販売…着物の魅力に迫るイベント「着物ショー」が4月3日、日系文化センター・博物館で行われた。
身に着けられる芸術、着物の良さを紹介
この日のメインイベントは着物ファッションショー。ショー第1部前半では約200人の来場者を迎えたホールの花道に、現代風着物を着こなしたモデルたちがさっそうと登場した。
第1部後半の着付けデモンストレーションのコーナーでは、エリーサ・マトソンさんをモデルにホーラン文子さんが着付けを行う中、着物が背丈より長い理由などを、着物専門家の原馬さんがわかりやすく解説。地元の人たちからは「古典的な装いにひねりを加えたところがナイス!」「着物にいろんなルールがあることを知りました」と感想が聞かれた。
そして第2部、華やかな着物のファッションショーへ。訪問着から慶事に装う黒留袖まで、じつに多様な種類と色合いの着物がお目見え。七五三を思い起こさせる親子の出演や、羽織をさっと脱いで肩にかける男性など、それぞれの着物から物語が立ち現れるようだった。
さらにショーを盛り立てたのは、韓国、台湾、インド、日本の伝統花嫁衣装。特色あふれる豪華な衣装は圧巻。締めくくり、会場の注目を一身に集めたのは介添人に手を引かれ、ゆっくりと歩く白無垢姿の花嫁。成谷百合子さんの奏でる琴の音が流れる会場で、着物の美しさに魅了されたステージが幕を閉じた。
美しいステージを生み出した立役者たち
モデルに多数の応募があった中、選ばれた27人。各々がステージ登場の際には緊張の面持ちだったが、写真撮影用の登壇時にはリラックスの表情を見せ、美しい姿をカメラに収めようとする人たちに、あふれる笑顔で応対していた。
そうした姿を安堵の気持ちで見つめていたのは、松野洋子さんとリトンかおりさんを中心とした日本舞踊の彩月会の皆さん。昨年から着物ショーの準備に奔走し、当日は開演の数時間前から着付けとメイクアップにあたった。
和風小物のサイレントオークションも実施
当イベントは、日系センターのファンドレージング企画として、日系センター主催、彩月会共催で行われたもの。会場内外では着物や小物、食品の販売のほか、和風小物のサイレントオークションが実施され、多くの人でにぎわった。当センターでは4月16日に恒例の春祭りを予定しており、今回は台湾コミュニティと共同での開催を予定している。その関係から着物ショーでの各国伝統花嫁衣装のアイディアも生まれた。この日は日系人以外の来場者も多く、着物の美しさによる国際交流の手応えも上々だった。
(取材 平野 香利)
アジア各国の花嫁衣装が勢揃い
©Nikkei National Museum & Cultual Centre, Photo by Manto Artworks
©Nikkei National Museum & Cultual Centre, Photo by Manto Artworks
©Nikkei National Museum & Cultual Centre, Photo by Manto Artworks
©Nikkei National Museum & Cultual Centre, Photo by Manto Artworks
©Nikkei National Museum & Cultual Centre, Photo by Manto Artworks
©Nikkei National Museum & Cultual Centre, Photo by Manto Artworks
©Nikkei National Museum & Cultual Centre, Photo by Manto Artworks
ショーの司会にあたったイボン・コンさんと大和奈緒美さん
ワンピース仕立ての現代風着物。後方ではビ・アンさんが中国琴を演奏
作品のプロデューサー・テリー佐々木さん、アーティスト・大野さち江さんのセンスが光る(写真左:提供 金谷 俊明さん)
作品のプロデューサー・テリー佐々木さん、アーティスト・大野さち江さんのセンスが光る(写真左:提供 金谷 俊明さん)
原馬仁美さん(写真右)が着物の歴史や文化を解説、ホーラン文子さん(写真中央)が着付けにあたった
きれいな色で雲取りが描かれた振り袖を黒の帯で引き締めて
海外で白無垢の花嫁衣装を観られる貴重な機会となった
着物を着る体験は「楽しかった」と子供たち
着物での来場者には抽選でプレゼントが企画されていたこのショーに、阿久沢成人君(16歳)も着物で会場に足を運んだ
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