ことしで10周年を迎えるVancouver Cherry Blossom Festival(VCBF)が、3月24日から4月17日まで開催される。その初日を飾るコンサート、Cherry Jam Downtown が3月24日、バラード駅のコンコースで開かれた。
バラード駅コンコースだけでなく上階のデッキ部分にもたくさんの人が集まった
さまざまな要素がつまった楽しいコンサート
バンクーバーの各所で桜を楽しむイベントを企画するVCBFは、いまやバンクーバーに春を告げる恒例の人気イベントとなっている。ことしのVCBFも、バラード駅でバラエティに富んだアーティストによるコンサートで幕を開けた。
開会の挨拶でVCBFディレクターのリンダ・プールさんは、「忙しい日常の中で少し歩を緩め、私たちを取り巻く自然に目を向ける機会を提供するこのフェスティバルの、長きにわたる成功を祈ります」というジャスティン・トルドー首相からのメッセージを読み上げた。また、在バンクーバー日本国総領事館から内田晃首席領事(総領事代理)が出席し、「東京では桜の季節は2週間ほどだが、ここバンクーバーは2月の終わりから5月まで桜を楽しめることが素晴らしいと思う」と述べた。
コンサートは、バンクーバー・メトロポリタン・オーケストラ(VMO)から、バイオリン、ビオラ、チェロ、ピアノのアンサンブルがコールドプレイの曲を演奏したあと、プロアルテ・ダンスカンパニーのサキ・オクヤマさんが加わり美しい踊りを披露した。続いて、ソプラノ歌手のステファニー・ナカガワさんが、中孝介の「花」と森山直太朗の「さくら」を歌った。「さくら」では、BCチルドレンズクワイヤーがハーモニーに参加した。
平野弥生さんによる俳句マイムには、ホリー・バークさんがフルートで共演。言葉のないマイムで英語の俳句に歌われた情景を表現した。バンクーバー・チャイニーズ・ミュージック・アンサンブルの二胡奏者ジーロン・ホワンさんの演奏には、タップダンサーのデイナ・シンドロウスキーさんが加わり、日本の唱歌などを披露した。 最後に登場したのはバンクーバー沖縄太鼓。迫力のある太鼓の音と躍動感あふれる踊りはフィナーレを飾るのにぴったり。鮮やかな色合いの沖縄の衣装をまとったメンバーには、コンサート後も記念撮影を求める人たちが後を絶たないほどだった。
VCBFの楽しみ方いろいろ
コンサート会場では、全日本空輸(ANA)の旅客セールス、アシスタントマネージャーの渡辺加菜さんが挨拶し、ことしもVCBFでは桜のフォトコンテストが開催され、優勝作品の受賞者には、ANAからバンクーバーと東京羽田間の往復航空券が贈られることがアナウンスされた。応募期間は3月24日から4月17日までとなっている。応募方法はVCBFのウェブを参照のこと。
また、VCBFでは、フェスティバル10周年を記念して、桜の苗木の販売を行う。3月末から4月初旬に咲くソメイヨシノ、4月末から5月頃に咲く寒山など8種類の桜の苗木が49.99ドル(税抜き価格)で販売されている。購入した苗木は、4月30日と5月1日の午前9時から午後5時の間、バンデューセン植物園で引き渡される。誕生日などの記念として、また次世代へ引き継がれる贈り物として、桜の木を自宅で育てたい人はぜひこの機会に!
購入と詳細については、ウェブサイトを参照。(www.vcbf.ca/community-events から10th Anniversary Birthday Blossoms Tree Planting Programを選ぶ)
バンクーバー・チェリー・ブロッサム・フェスティバルのウェブサイト: www.vcbf.ca
(取材 大島多紀子)
サキ・オクヤマさんの優雅な舞いは春の雰囲気にぴったり
VMOのアンサンブルとBCチルドレンズクワイヤーと共演するステファニー・ナカガワさん(左端)
挨拶をする内田晃首席領事(総領事代理)。在バンクーバー日本国総領事館もVCBFのスポンサーに名を連ねる
大歓声があがったバンクーバー沖縄太鼓の演奏
平野弥生さん(左)の俳句マイムとホリー・バークさんのフルート演奏
ジーロン・ホワンさん(左)の二胡とデイナ・シンドロウスキーさんのタップダンス。こうした意外な組み合わせが見られるのもこのコンサートならでは
VCBFで販売する桜の苗木は樹齢4年、約6フィートの高さ
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