MLSバンクーバー・ホワイトキャップス2016年シーズン開幕バンクーバー・ホワイトキャップスFCの2016年シーズンが開幕した。今季こそ期待大だ。昨季は西カンファレンス2位と大健闘したものの、プレーオフではまさかの準決勝敗退。得点力不足に泣いた昨季の反省から、日本から元柏レイソルFW工藤壮人(#9)、コスタリカからベテランMFクリスチャン・ボラノス(#7)が加入、今季こその優勝を目指す。 開幕戦は、BCプレースでモントリオール・インパクトと対戦。カナダ対決の開幕戦に、超満員のファンが会場を埋め尽くした。
工藤選手「僕としても急きょ背番号が変わって、すごく期待も感じるので、期待に早い段階で応えたいなって思います」
3月6日(22,120)バンクーバー ホワイトキャップスFC 2 -3 モントリオール・ インパクト
先制点はインパクト。19分にMFピアッティがキャップスのDFを完全に抜きゴール。インパクト2点目はFWオデュロ。キャップスGKが飛び出した、がら空きのネットにゴールを決めた。キャップスは前半終了間際46分、MFモラレス(#77)のFKキックにDFハーベイ(#2)が合わせゴール。前半を終わって1‐2に追いついた。
後半に入り、88分には再びインパクトMFピアッティがゴールを決め1‐3。ホワイトキャップスは93分に追加点を入れたが、そこまでだった。
工藤、開幕戦は途中出場
工藤のMLS公式デビューは開幕戦でのベンチスタートとなった。後半も押し迫った81分に、FWリベロに代わり途中出場。チームは1‐2と1点を追いかける展開で、「ワンチャンスを狙っていたんですけど」と不完全燃焼な表情を見せた。ロビンソン監督からは「とにかくゴールを取りに行け」との指示。これより15分前にFWペレスを投入。なんとか追加点をという監督の意図は明らかだったが、逆転には結びつかなかった。
「とにかくゴールを決めたかったので、悔しさももちろんありますけど、第1歩としてピッチに立てたというところは、スタートを切れたのかなって思います」。ロビンソン監督は「工藤は終盤15分ほど出場したが、いい動きをしていた。まだ身体を慣らしている状態」と今後に期待を持たせた。
「初めてのMLSの雰囲気は、非常に盛り上がっていて、ホワイトキャップスの選手として、このスタジアムの良さ、また、選手とサポーターの一体感を感じたゲームでした」。この日は、まだまだ第1試合。これからもこのホームグランドでやっていくことに、「大いに期待してもらっていいと思います。なんとかスタメンに出た時だったり、もう少し出場時間が多くなった時に、僕自身の良さだったり、どうゴールに迫るかっていうところを注目して見てもらえたらなって思います」。
シーズン前のアリゾナでのキャンプでは、元ホワイトキャップスの小林大悟選手とも話をし、6月には夢の日本人対決も。「早く対戦してみたいですし、日本の時からいい選手というのは知ってますけど、この地で同じ日本人として、いいものを出しあえればなって思ってます」。
背番号9。ホワイトキャップス工藤としての長いシーズンが、いよいよ開幕した。
ゴール欠乏症、昨季のデジャヴ
昨季の好成績から、さらなる飛躍をとファンの期待が大きく膨らんだ開幕戦。会場は超満員のファンで埋まり、2016ホワイトキャップスに大歓声を送った。しかし序盤の好機をなかなか得点に活かせず、19分にインパクトMFピアッティがドリブルでキャップス選手を抜き、そのままゴールを決めるとズルズルと引きずるように2点目を献上。結局、この日のキャップスに2点を逆転する力はなかった。
ロビンソン監督は、好機を得点に活かせない昨季を見るようだったかと聞かれ、「デジャヴだった」と語った。「勝ち点3を献上した試合」。そう振り返った。「後半になんとかドアをこじ開けようと思ったが、うまくいかなかった。相手の好セーブにも阻まれたし、得点チャンスにゴールできなかった」。ただシーズンは長い、これから調整していく、と長いシーズンを見据えた。
(取材 三島直美 / 写真 斉藤光一)
これからのホームゲーム
3月26日(土)7:00PM ヒューストン・ダイナモ戦
4月 2日(土)7:00PM LAギャラクシー戦
試合後、気軽にサインに応じる工藤選手。「町でもちょいちょい声かけてくれる人もいますし」と気軽に声を掛けてもらっていることを喜んでいた
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