今年も多くの参加者を迎えて
1月16日、日系文化センター・博物館で開催されたJCCA(日系カナダ市民協会)主催(協力・隣組)の敬老会に160人のシニアが集まった。
ラジオ体操でリフレッシュ
共に集える貴重な場
長年恒例行事として続いてきたJCCA敬老会。なぜ日本の敬老の日のある9月ではなく1月開催なのか。それは事の始まりが、日本国総領事館が日系人を対象に行った新年会だったからだ。その集まりを引き継ぎ開催している敬老会。参加者は日系ホームや新さくら荘の入居者、そしてこの会を楽しみに各地から足を運ぶ人たちだが、どんな思いで会に足を運んでいるのだろう。
「こちら(と両側の人を差して)の方たちが誘ってくれましてね」と語る韓国出身のリン・ヒー・ユーンさんは日本語堪能。隣の木村充子さんは「年を取るとどうしても人恋しくなりましてね。そしてここに来ると食欲もわきます」と語る。夫婦で参加している日系2世の太田レイさんが「70年前からの知り合いに会えます」と語ると隣の席の西畑勇さんも同感とうなずいていた。同じテーブルの鈴木佳世子さんは「人は一人では生きられません。仲間があって、これからの人生を語りあう場があることが大事です」と会の意義深さを語ってくれた。
地元のパフォーマーを呼び込んで
それぞれの思いを胸に集まった参加者を前に、司会のJCCA会長ロレーン及川さんが会を明るく進行。例年通り、彩りのよいおせち弁当をとりながらの歓談に始まり、その後余興に。今年はチカ・ボストンさんと「騒ぎ太鼓」の有志が日本の歌を歌唱。そして登場したハリソン・リー君は、昨年日系祭りのタレントショーで優勝を獲得したヨーヨーパフォーマー。目にもとまらぬ速さで圧巻のテクニックを披露した。次は新たな趣向でラジオ体操を会場全体で実施。そうして熱気高まった場に、地元ミュージシャン、マーク・ダウディングさんとリア・ウィリアムさんが穏やかなフォークソングを歌い奏で、心拍数が落ち着く流れに。
そして最高齢者や申年生まれの参加者とドアプライズ当選者への景品贈呈の後は、桑原モコさんのリードに合わせてみんなで合唱した。
今年も多くの参加者を迎えた敬老会は、笑顔で会をサポートする多数のボランティアと実行メンバー、そして多くの個人や企業による寄付によって支えられていた。
(取材 平野香利)
参加者の木村充子さん(写真左)と、男性参加者の中で最高齢100歳のリン・ヒー・ユーンさん
桑原モコさんのリードで『春のうた』ほかを歌唱
乾杯の音頭を取る松田茂領事。写真左は司会を務めるJCCA会長ロレーン及川さん
会場を回りながらヨーヨーの技を披露するハリソン・リー君