東日本大震災から生まれた 第5回 チャリティーコンサート 開催第5回チャリティーコンサートが11月8日、バンクーバーのウエスト・ポイントグレー合同教会で開催された。アットホームな雰囲気の中、今年もピアノ、バイオリンをはじめ、パイプオルガンとの合唱など、多彩な演奏が行われ観客を楽しませた。昨年よりスタートしたオペラは家族連れや大人の観客に好評で、今年はフランスオペラ『カルメン』がコスチューム付きで披露された。このコンサートでは$1245の寄付金が集まり、イーストバンクーバーの音楽学校Sarah McLachlan School of Musicに寄付された。

 

出演者による合同写真 (Photo by Noriko Tidball)

 

 毎年恒例となったチャリティーコンサートは、東日本大震災直後に開催された、声楽・ピアノ講師の小牧彩子さんによるファンドレイジングコンサートから始まった。各方面で活躍する日本人、カナダ人他の音楽家たちに声をかけ、教会を借りて行われたこのコンサートは毎年開かれ、今年で5回目を迎えた。 最初の3回のコンサート収益金は、ユナイテッド教会を通して、東日本大震災の被災地へ贈られた。昨年度からはバンクーバーに住む低所得家庭の子供たちに音楽のレッスンをと、 Sarah McLachlan School of Musicへ寄付されている。

 今回は大勢の子供たちも参加し、演奏会を盛り上げた。ピアノ演奏で出演したブレイン桐香さんは「緊張した。練習の時と違う環境だったこともあり、練習通りにいかないところがあった」と悔しさをにじませるも、「来年もコンサートに出たい、そしてもっとうまく弾きたい」と来年のコンサートへの抱負を語った。同じくピアノ演奏で出演したブレイン彦さんは「緊張はしなかった」と力強く話した。今年で2度目の出演となる二人は、この日のために何カ月も曲の練習をしてきたという。母親のブレイン真喜恵さんは「実家が東日本大震災の被害を受けた宮城県名取市にあるため、子供たちに、震災支援がきっかけで始まったこのコンサートに出演してほしいと思った。ゆくゆくは、彼らにもこのコンサートのきっかけや趣旨がわかるようになれば嬉しい」と語った。

 コンサートの形式は、初回の『プロによる演奏会』から、一般参加の申し込みも受け付ける『参加型のコンサート』へと変わってきた。アコースティックの楽器もしくは歌を披露できて、それを他の人たちとシェアして一緒に楽しみ、集まったファンドは良い目的に寄付したい、と考える人なら、老若男女、初心者上級者を問わず参加歓迎だという。

 

主催者小牧彩子さんからのメッセージ

 毎回たくさんの方にお手伝いをいただいて、やっと開催できるチャリティーイベントです。今回もここには書ききれないたくさんの方にサポートをして頂いたことで、楽しい音楽会が実現しました。本当に感謝しています。

 今後は音楽だけでなく、アートの披露も…などとアイディアも広がりますが、まずはバンクーバーの地元に少しでも貢献できるこのイベントを、もっと日系コミュニティの方々にも知っていただき、それぞれの形でご参加いただけるイベントにしていけたらと思います。

(取材 牧原 優衣)

 

合唱

 

ピアノ演奏

 

カルメンのストリートボーイズの歌 (Photo by Noriko Tidball)

 

(左から)ブレイン彦さん、ブレイン桐香さん

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。