初めてホームで臨んだプレーオフはほろ苦い結果に終わった。レギュラーシーズン2位で通過したバンクーバー・ホワイトキャップスFCは、準決勝でポートランド・ティンバーズと対戦。11月8日は絶対に負けられない一戦だった。

 

守護神GKウーステッドの守りもこの日のティンバーズの攻撃には及ばなかった(Photo by Sam Maruyama)

 

11月8日(27,837)バンクーバー ホワイトキャップスFC  0 -2  ポートランド・ティンバーズ

先取点は31分、ティンバーズ。FWアビが、キャップスの守りが甘くなった隙をついてゴール。さらに94分にはキャップスがMFモラレスのクリアミスから相手にゴールを許した。

 

◆今日は相手が上だった◆

 「今日は相手がいい試合をした」。MFロザレスはそう総括した。「こんな結果を予測はしていなかった。残念だった」  今季は期待されたシーズンだった。レギュラーシーズンで何度も首位に立ったホワイトキャップスは、後半やや失速したものの、2位で通過。サドンデスのノックアウトラウンドを経ず、準決勝に進出。スポーティングKCをPK戦で制して上がってきたティンバーズを迎え撃つ準備はできているはずだった。

 ホーム&アウエーの2試合の結果で決勝行きが決まる準決勝。第1戦はポートランドで0‐0と引き分けた。そのためホームでは勝ち以外にキャップスに残された道はなかった。

 前半は、キャップスが押す展開が続いた。9分にはMFマニー(#23)の中央からのロングシュートが相手GKの手をかすめ、左ポストに。惜しいところで先制のチャンスを逃した。これが決まっていれば試合展開は全然違ったはずだった。

 ロビンソン監督は、「(あそこで点が入れば)試合の展開が全然違ったと思う」と苦笑いを見せた。スポーツに、「たら、れば」はないが、悔やまれる1本だった。この後、マニーはケガで交代。キャップスにとっては2重の痛手となった。

 そんな中、ここまでほぼ鉄壁の守りを見せていたディフェンス陣が一瞬の隙を見せたその直後、先制のゴールを決められた。試合終了間際にはキャップスMFモラレスのクリアミスから2点目を献上した。GKウーステッド(#1)は、「非常に残念な結果だった。今日は自分たちの力が足りなかった」と冷静に語った。「ポートランドが勝っていた」

 2試合を通じて無得点。「2試合で無得点ではどうにも勝てない」とロビンソン監督。得点力不足がこの敗戦に影響したと認め、シーズンオフへの課題とすると語った。

 2011年にMLS昇格して以来、ホームで初のプレーオフ。これまで2回プレーオフに進出したが、ノックアウトラウンドで敗れていた。今季こそプレーオフ初勝利をと、この日詰めかけた超満員のファンが大声援を送ったが、白星を引き寄せることはできなかった。

 これでここまでプレーオフ4試合を戦って未だ白星なし。プレーオフ初勝利は来季以降にお預けとなった。

 

◆プレーオフからカナダチームが姿を消す◆

 同じくプレーオフ準決勝に進んだモントリオール・インパクトは、先週モントリオールでの第1戦で、コロンバス・クルーSCに2‐1と勝利。この日に期待されたが、第2戦は1‐3で敗れ、東カンファレンス決勝進出はならなかった。

 もう一方の西カンファレンス準決勝、シアトル・サウンダーズ対FCダラスの試合は、終盤に逆転に次ぐ逆転で盛り上がったが、最後はPK戦を制したダラスが勝利し、決勝に駒を進めた。

 決勝は、東がコロンバス対ニューヨーク・レッドブルズ、西がFCダラス対ティンバーズとなった。決勝戦は11月22日と29日に行われる。

(取材 三島直美)

 

今季チーム最多得点のFWリベロ(左)も、プレーオフでは無得点に終わった(Photo by Sam Maruyama)

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。