バーナビーの日系文化センター・博物館で11月1日、音羽流 日本舞踊の発表会「おどり」が開催された。8歳から80代の女性メンバー21人が、18種類の踊りを披露。会場に集まった約250人の観客は、新舞踊や民謡・小唄などを楽しんだ。
フィナーレで「人生花ごよみ」を踊る音羽流のメンバー
今回は5年ぶりの大きな発表会。師範で音羽雛明(ひなあき)の名取りを持つ主催者の小森明美さんは「踊りも着物も大好きなメンバーばかりで、着付けや化粧も自分たちでやりました。週1回のレッスンの成果を皆さんに楽しんでいただければと思います」と話した。
この日は小森さんの師匠でもある音羽菊雛(きくひな)こと堀美智子さんも日本から駆けつけてメンバーを応援し、自身の長唄も披露した。
日舞を30年間続けて来たCathy Nishikawaさんは、男の火祭りなどに出演。「3カ月間練習したので、上手に踊れました。日舞のおかげでバンクーバーで開催された万博やオリンピックなどの大きなイベントにも参加できました。これからも踊りを通していろいろ挑戦したいです」と満足そうに語った。
伊那節などを踊った横山周子(かねこ)さんは「本番になると頭が真っ白になってしまい、満足な出来ではなかったです。ただ踊りは体に良く、ボケ防止にもなるので続けていきたいと思います」と笑顔で話した。
12歳で舞妓の踊りなどを舞ったKimi Kamiyaさんは日系5世で小森さんの孫。「リズムを足で取るのがむずかしかったけれど、だいたいうまくいきました。他のメンバーが上手だったので皆を誇りに思います。日本の文化に興味があるし、日舞は楽しいので続けたいけれど、名取りまではどうかな」と照れた様子で語った。
発表会を見に来た森田純子さんは「昔の会で踊っていた子どもたちが大人顔負けに踊っているのを見ると、彼らの成長を感じます。今回はスクリーンで写真を投影するなど、舞台装置も工夫されていたと思います」とこの日の印象を語ってくれた。
また前述の横山さんの友人(匿名希望)も「メンバーの皆さんが努力しているのがよく分かる発表会でした。日本からいらした菊雛師匠のプロの踊りも見られてよかったです」と感想を述べた。
最後に「皆さんステージに立つと、テンションが上がります。細かな注意点はありましたが、全体的には良かったと思います」と、ほっとした表情の小森さん。
また「雨の中、大勢の方々が見に来てくださり有り難かったです。皆さんのご支援があってこそ、このような会が運営できると思います」と来場者やメンバーの家族の協力にもお礼を述べていた。
(取材 古川 透)
小森さんはバーナビーの自宅で日舞のレッスンもしている。
問い合わせは604-430-3744小森さんまで。
「松」を踊る音羽菊雛さん
「雪の舞」を踊る音羽雛明さん
「舞妓」を踊るKimiさん
「桜禿」を踊るEllaさん
「飛梅の賦」を踊るJacquelineさん
「男の火祭り」を踊るCathyさん、Cherylさん、Yurikoさん
「紅日傘」を踊るKimiさんとJacquelineさん
発表会を終え、観衆に笑顔で応える菊雛さん(左)と雛明さん
踊る母親などを応援する子どもたち
踊りを見て拍手する来場者