第5回コミュニティアワード&ファンドレイジング・ディナー
日系プレースと日系カナダ人コミュニティに貢献した地域のリーダーや団体に感謝するための「コミュニティアワード」の授賞式と、日系プレース、日系文化センター・博物館の活動への寄付金を集めるためのファンドレイジングディナーが、9月19日、バーナビー市の日系文化センター・博物館で開かれた。このイベントは今年で5回目を迎える。
日系文化センター・博物館会長の林光夫さんはジャパニーズカルチャーアワードを受賞
この日ディナーを担当したのは、ウエストバンクーバーの禅(Zen Japanese Restaurant)。バンクーバー水族館が主導する、サステイナブルなシーフードの利用による「オーシャンワイズ」プログラムを、2009年にメトロバンクーバーの日本食レストランで最初に採用したレストランが、シーフードを中心にしたコース料理を用意した。イベントには200人を超えるコミュニティ関係者が参加し、サイレントオークション、ライブオークション、ラッフルなどで8万6000ドルの資金が集まった。
2015年のコミュニティ・アワードを受賞したのは、アーサー・原氏、林光夫氏、そしてスティーブストン・マーシャル・アーツ・センターの、個人2名および1団体だ。三菱商事やアジア太平洋財団、バンクーバー商工会議所などで会長を務め、カナダ勲章(オーダー・オブ・カナダ)や旭日賞を受賞している原氏が、トーマス・ショーヤマ・ライフタイム・アチーブメント・アワードを受賞した。トルドー政権で財務省副大臣として辣腕を振るったほか、日系ヘリテージセンター発足の際にはカナダ政府からの補助金獲得に助力したトーマス・ショーヤマ氏の名前を冠した、トーマス・ショーヤマ・ライフタイム・アチーブメント・アワードは、カナダや日系および日系カナダ人コミュニティで重要な役割を果たしてきた個人に贈られる賞だ。日系二世でJapanese Canadian Citizen's Association(JCCA)の事務局長を務めたほか、カナダで第一線のビジネスマンとして活躍してきた原氏は、受賞のスピーチでこれまで日系コミュニティが歩んできた道のりを振り返った。
カナダにおいて強い日系コミュニティを築くため、リーダーシップを発揮し、支援してきた個人や団体を対象とする日本文化賞(ジャパニーズ・カルチャー・アワード)は、林光夫氏と、スティーブストン・マーシャル・アーツ・センターに贈られた。日系文化センター・博物館会長の林氏は、日系プレース建設のための募金活動をはじめ、在留邦人や日系社会の福祉向上のための功労が認められて、2012年には春の叙勲で旭日双光章を受章している。柔道、空手、剣道の道場、スティーブストン・マーシャル・アーツ・センターは、日本武道を通して心身を鍛える場所として、日系人だけでなく、コミュニティに寄与している。林氏は「受賞は、たくさんのボランティアの支えのおかげ。貢献に感謝しています。コミュニティのさらなる繁栄を祈っています」と語った。
今回のコミュニティ・アワード&ファンドレイジング・ディナーで集めた資金は、強いコミュニティを築き、高齢者、青年、新たにカナダに来た人たちがコミュニティから孤立しがちという問題に取り組むためのものだ。日系文化センター・博物館や日系ホームは、これらの人たちがコミュニティと関わりを持つ場として大きな役割を果たしている。日系文化センター・博物館では、新しくセンターを訪れる人の案内や、質問に答えるボランティアの、Friendly Reception KioskやCultural Ambassadors Centreの発足を計画していて、資金はボランティアのトレーニングやサポート、パソコンをはじめとする必要なIT機器の購入費などに充てられる。
(取材 西川桂子)
トーマス・ショーヤマ・ライフタイム・アチーブメント・アワードを受賞したアーサー原さん
トーマス・ショーヤマ・ライフタイム・アチーブメント・アワードを受賞したアーサー原さん
太鼓の勇壮な音が開場を告げる
受賞を喜ぶスティーブストン・マーシャル・アーツ・センターの皆さん
受賞を喜ぶスティーブストン・マーシャル・アーツ・センターの皆さん
日系文化センター・博物館会長の林光夫さん
豪華な賞品がそろったサイレントオークション