~アサヒ・レガシー・ゲーム・シリーズ開幕~

 

日系カナダ人青少年野球クラブとバンクーバー青年野球主催の「アサヒ・レガシー・ゲーム・シリーズ」が、9月6日ナナイモパーク(East 46th & Nanaimo Street)で開幕する。ミニ・アサヒ、バンタム・アサヒ、ミジェット・アサヒ、バンクーバー・アサヒの5チームがホワイトロック、ウェストバンクーバーからのチームと対戦。 当日のハイライトは、ミジェット・アサヒ(青少年)チーム対バンクーバー・アサヒ(成人)チームだ。

 

2015 年3 月、バンクーバー新朝日軍チーム、日本・足利リトルシニアと(撮影 今井まき)

 

 昨年11月10日の初戦からわずか11ヶ月の間に日系カナダ人青少年野球クラブは5チーム、80名以上もの選手団体に成長した。

 今年のアサヒ・レガシー・シリーズは、バンクーバー青少年野球とパートナーシップを組み、ナナイモ球場での試合が実現した。メインの試合であるターミナル・リーグ・チャンピオンシップの見どころは、やはり日本スタイルの野球だろう。

 バンクーバー朝日軍(成人チーム)の小川コーチに成人試合、朝日軍について聞いてみた。

 

Q 今回の試合についてどうですか?  

「朝日のユニフォームを着てのはじめての公式試合ということで少し緊張していると同時に期待感もあります。オリジナルの朝日軍を知っている人たちは、彼らと比べたり、私たちに期待されるからかもしれませんが、コーチとしてチームを盛り上げて若い新朝日の選手に自分達の強さを見せたいと思っています。新朝日のチームとは彼らが日本に行く前に一度試合をしているのですが、それ以後、彼らも練習を重ねているようなのでどれぐらい成長したか、技術と精神面の両方をみてみたいですね」

Q 成人チームと青少年チームとの違いは?  

「朝日というと『赤いユニフォーム』というイメージがあると思いますが、実は1913年7月3日の写真では『黒のユニフォーム』を着ているんです。あと、最近の映画『バンクーバーの朝日』では『白のユニフォーム』を着ています。新朝日の選手達は『赤のユニフォーム』にプライドがありますが、成人チームが『黒のユニフォーム』を着ることにより、柔道などの武道家がブラックベルトをめざして努力するように成人チームの『黒のユニフォーム』もそのように若い選手達が黒を着れるよう努力してくれたらと思っています。

Q どうしてバンクーバー朝日軍の成人チームをつくったのですか?  

「こちらに来てから『朝日軍』についてはまったく知りませんでしたが、日本人として日系移民の歴史に興味をもち、人から話を聞いたり、自分でリサーチをしたりして、朝日の努力と勝利を知りました。彼らの精神、チームワーク、回復力に強く惹かれました。彼らはコミュニティのヒーローだったと思います。そして、朝日を再結成したいと思いながら少しずつネットワークを広げていきました。昨年、『バンクーバーの朝日』の映画が発表後、カナダ人日系青少年野球クラブの創設者メンバーとして声をかけられたのです。野球を通じてもう一度日系コミュニティをつなげたいと思っています」

 

青少年部については次回に掲載予定。

 

 カナダ人日系青少年野球クラブ(CNYBC)は、『チーム』を重要とする日本式の野球からきている。個人技術の上達は重要だが、他のチームメンバーがいなければ試合ができない。どのようにしてチーム全体が上達するという考えが重要なのだ。

 新朝日軍の練習スタイルは、子ども達にチーム全体が強くなるにはどうしたらよいか、チームプレーにフォーカスしながらも個人技術、個人プレーも磨くことを教え、それをどのようにチームプレーに役立てるかということも教えている。

 

ミニ・アサヒ対リトル・マウンテン・ベースボールの試合結果

 8月23日(土)の試合では、リトル・マウンテン・ベースボールを制しミニ・アサヒ の勝利に終わった。強いピッチングのKobe MahとTakeo Harveyが試合の雰囲気を作った。野手の活躍があまり見られなかったものの、Daniel Tada、Hannon Eto、Trevor Kwanは、実力を見せるプレーをした。Ty Ando、Christopher Lee、Ken Nakaneのヒットでさらに差をつけた。朝日もすぐれた技術とスポーツマンシップをみせた。中でも両チームに在籍するSean Ishibashiは、強力な朝日に対して勇敢に投げた。

「今日の子どもたちの努力にとても満足だ。この一ヶ月半、一生懸命練習に励み、その成果を試合でみせてくれてうれしい」とScotto Andoコーチ。

「チームが大きな成果を得、大勝利にもかかわらず謙虚な選手をみてうれしい。朝日とは何かを子ども達が見せてくれたと思う」とAaron Harveyコーチ。

 この試合を企画してくれたリトル・マウンテン・ベースボールのMat Donnelyに感謝します。

アサヒ・レガシー・ゲーム・シリーズの詳細:www.asahibaseball.com 

(記事提供: Scott Ando, Josh Coward, Aaron Harvery, Atsu Inomata, Sarah S. Inomata, Manabu Ogawa)

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。