カナディアン・パシフィック・ ウーマンズ・オープン2015

横峯選手38位、宮里藍選手は予選落ち

 

LPGA北米女子プロゴルフ・カナディアンオープンは、ニュージーランドのリディア・コ選手が優勝、日本人選手では横峯さくら選手の38位が最高だった。 コキットラムのバンクーバー・ゴルフクラブで8月20日から4日間行われたカナディアンオープンには、今年は日本人6選手が出場。3年前に続いて2回目の宮里藍選手、宮里美香選手、初出場の有村智恵選手、上原彩子選手、野村敏京選手、そして横峯さくら選手。宮里藍選手、上原選手は予選落ち、他の4選手は予選は通過したものの、第3、第4ラウンドとスコアが伸びず、横峯選手の1アンダーが最高だった。

 

バーディーパットの宮里藍選手

 

日本勢は全体的に低迷

 第2ラウンドを終え1オーバーと予選落ちギリギリにつけていた横峯選手だったが、第3ラウンドで6バーディー、4ボギーの70とスコアを伸ばし1アンダーで最終日を迎えた。第1ラウンドを終えた時点で「先週から攻めのゴルフに切り替えていた」という横峯選手。最終日は4バーディー、4ボギーのイーブンパー。4日間を振り返り「ショットが悪い中でのショートゲームのリカバリー率があまりよくないと思うので、そこをもっともっとしっかり磨いて、そこに自信を持てるようになったら、もっと攻めるプレーがしっかりできると思います」と総括した。

 通算イーブンパーの宮里美香選手は、第2ラウンドでは一時は3アンダーとスコアを伸ばしたが、それ以降なかなか伸びなかった。第3ラウンドを終え「最終日は猛チャージをかけたい」と語っていたが、最終日もイーブンパー。「飛ばしたかったですね、最終日」と第一声。「チャンスは結構あったんですけど、なかなか決め切れずにイーブンで終わってしまったっていう感じです」と、今季調子がいいだけに悔しがった。

 同じくイーブンパーで終えた野村選手。各ラウンドを2アンダーで回ることを目標としていたが、第2ラウンドと最終日で1アンダーと伸ばした。最終日は1バーディーでボギーなし。「ボギーフリーのラウンドだったので良かったです」と笑顔を見せた。ただ「もったいないパットが多かった」と、何度も惜しいところでバーディーを逃した内容を悔しがった。

 前半調子が良かった有村選手は、後半大きく崩れ通算12オーバーで今大会を終えた。「ショットが修正できず、パッティングも悪かったなって」と厳しい表情。「すごく大きな課題がまだまだあるというか。ちょっと前までに持ってた手ごたえがどこかにいってしまった感じなので、また、がんばらないとって感じですね」と、残り少ない今シーズンに焦点を合わせた。

 初日からなかなか調子が上がらなかった上原選手は予選落ち。「感覚的には昨日よりもいい手応えもありましたし、来週に向けていい手応えをつかめたのは良かった」と、次の大会に気持ちを切り替えていた。

 

「うまくいかないときこそ流れに身を任せて」- 宮里藍選手

 3年ぶり2回目のバンクーバーでの大会で、前回に続きまたも予選落ちと振るわない結果に終わった宮里藍選手。結果は72‐79の通算7オーバーだったものの、状態的には悪くないと笑顔を見せた。

 バンクーバーのコースについて、「前回は結構天気が悪くて、寒くて、コースもすごくやわらかくて、距離がすごい長いなって印象があったんですけど、今回はすごい天気に恵まれて(笑)、これぐらいなら全然大丈夫なので、コースの状態もすごくいいです」と初日を終えての印象を語った。「この試合はすごく他の試合に比べてオーガナイズされているので、クラブハウスの食べ物もおいしかったりとか、トランスポテーションもしっかりしてたり、ギャラリーもすごくたくさん入ってくれるので、ここまでは楽しんでやれていると思います」と笑顔を見せた。

 2006年から北米ツアーに参加し、カナディアンオープンは2007年から毎年参加している。予選落ちはこれまで2007年、2008年、そして2012年のバンクーバーと3回のみ。今大会は初日がイーブンパーと良かっただけに予選落ちは残念だった。

 バンクーバーとの相性が悪いのかとの質問には、「いや全然、このコースすごい良いコースですし、今年はコンディションにも恵まれてすごい良い状態だと思うので、あとは、自分の問題なので、美味しいご飯を食べて帰りたいと思います」と笑顔で語った。

 2日目は「前半は風が難しくてなかなかセカンドの距離感を合わせるのが難しかったんですけど、昨日よりもショットタイミングが今一つあってなかったので」と振り返り、「自分の感覚と結果が一致していない感じなので、自分のプレーとしてはスコアにはなってないんですけど、感覚としては悪くないです」と、結果を悲観的には捉えていなかった。

 やはりポイントは2日目の3番ホール。池に入れダブルボギー。「風も結構あの辺もジャッジが難しくって、自分としてはいい決断力で打ってたショットだと思うんですけど。少し、タイミングが合わないところが出てしまったのが唯一あのホールだったと思います」と、2番ホールでなんとかイーブンパーに踏みとどまって乗っていきたかっただけに痛い結果となった。

 今後の目標はと聞かれると「流れに身を任せてって思っているので。うまくいかない時こそ、何かを変えようとするとそれだけ難しい方向に行ってしまったりすることがあるので、ここまで自分としては少なからず努力はしてますし、それが結果につながってないっていうことは、そういう時期なのかなっていう感じがしていて、最悪アジア出れなくても、とりあえず、エビアンまでは今の感じでやっていきたいと思います」と前を向いた。

 

優勝はコ選手、ヘンダーソン選手は23位

 優勝はニュージーランドのリディア・コ選手が、アメリカのステイシー・ルイス選手とのプレーオフを制し勝ち取った。

 コ選手は2012年にバンクーバーで行われたカナディアンオープンでアマチュア選手として参加し、わずか15歳で初優勝。バンクーバーでは3年ぶり、カナディアンオープンは2年ぶりの優勝を果たした。「初勝利した場所にまた帰って来て優勝できたのは嬉しい」と、18歳は大人びた笑顔を見せた。

 前週のポートランドでの優勝で注目された17歳、カナダのブルック・ヘンダーソン選手は、予選こそ1オーバーとギリギリでの通過となったが、最終日に5バーディーで猛チャージをかけ通算4アンダーまで伸ばし23位まで上がった。

 多くのメディアに囲まれたヘンダーソン選手は、「(カナダで)勝ちたかった。ファンにもいい試合をみせたかったし、今日は良かったと思う」と語り、「(前週)勝ったすぐ後にカナダでの試合で、注目を浴びてスケジュールもすごく忙しくなったけど、自分でどういう風に対応すればいいか勉強できたし、次に生かせると思う」と、これからますます注目される17歳は目を輝かせていた。

 

 

「応援よろしくお願いします」- 横峯選手

 今回のコースで選手はパットが難しいと声を揃えた。グリーンの傾斜が見た目以上にきついのだという。コースの印象について聞くと、有村選手は、「この高低差とか、コースの木の生え方であったりとか、結構日本のコースな感じだなって思う」と語った。野村選手も同様の感想を口にした。

 横峯選手は「コースは見た感じはアメリカと変わらないかなって感じるんですけど、でもラフの芝とか、ちょっとねちっこいのかなっても感じますし、ちょっと微妙な自分のフィーリングなんですけど」と初日後の感想。今年初めてCPWOに参加した横峯選手は、「最初に比べれば3週連続の予選落ちがあったりして、すごく戸惑った時期とか、右も左も分からずという感じだったんですけど、大分慣れてきたかなって感じがあります」と語った。「バンクーバーは初めてだったんですけど、ちょっとあんまりいいプレーをお見せすることはできなかったんですけど、頑張りますので応援よろしくお願いします」と、ファンにメッセージを送った。

 19日のプロアマ大会で、全日空バンクーバー支店支店長松橋慶典氏と一緒にプレーした宮里美香選手は、「日本人の方とのラウンドだったのでだいぶ楽でした」と大きな笑顔を見せ、バンクーバーを楽しんだようだった。  

写真はすべて8月21日撮影 (取材 三島直美/写真 斉藤光一)

 

この日午後からインスタートの宮里藍選手。「この日はちょっと力が入っている感じ」と語っていた

2 日目を終わって記者に囲まれ、予選通過はならなかったが時折笑顔を見せながら応じていた

試合後にファンにサインをする宮里藍選手

初日からなかなかスコアが伸びなかった上原選手。試合後は意外とすっきりとした表情で記者の質問に答えていた

2日目は2バーディー3ボギーとスコアを1つ落とした宮里美香選手

「初日だけしかアンダーパーが出ないって言うのがすごく悔しい」となかなか伸びないスコアを悔しがっていた

多くのファンが宮里美香選手を待っていた

午前中は寒い中での我慢のゴルフとなった横峯選手

2日目を終え1オーバーと微妙ながら予選を通過した

予選通過がまだ決まってない段階での記者の質問に苦笑い

2日目4バーディー3ボギーと1つスコアを伸ばし予選通過を決めた野村選手

バーディーを決めキャディさんとグータッチ。野村選手

ファンにサインを求められる野村選手

18番第1打の有村選手。この日は1つスコアを落とした

予選を通過し、笑顔を見せる有村選手

カナダのヘンダーソン選手には常に多くのギャラリーが付いていた

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。