日系文化センター・博物館で記念レセプション
バーナビー市と北海道釧路市が今年、姉妹都市提携50周年を迎えたことを記念して、釧路市から記念訪問団がバーナビー市を訪問した。日系文化センター・博物館で7月9日、バーナビー市が主催する記念レセプションが開催され、両 市の市議会議員や日系コミュニティ関係者などが出席した。
左から、デレク・コリガン・バーナビー市長、日系センター・博物館理事長のキャシー・マキハラ氏、蝦名大也釧路市長
両市の絆の深さを再確認
日系センターで行われる日系祭りの催し物の1つである、 タレントショーにも出場した木田萌さんがオープニングで2曲の歌を披露。 10歳とは思えない素晴らしい歌唱力に会場からは大きな拍手が沸き上がった。
デレク・コリガン・バーナ ビー市長は、日系センターについて、バーナビー市の多文化主義を象徴する場所の1つであり、日系人の歴史や文化を学ぶ機会を提供する重要な場所とし、そこに釧路市からの訪問団を迎えることができたことは喜びであると挨拶した。続いて、蝦名大也釧路市長が、日系文化センター・博物館理事長キャシー・マキハラ氏のルーツが鳥取県にあると聞き、特別な縁を感じたと語った。明治17年に鳥取から500人以上が移住、釧路市の開拓に携わったという。また、レセプションに先立って、カナダにおける日系人の歴史の説明を受けたことに触れ、日系人がさまざまな苦難を乗り越えてきたことに感じ入り、改めて敬意を表したいと述べた。そして、「この50年を節目とし、 これからもコリガン市長と連携をとりながら、友好の輪を広げていきたい」と締めくくった。最後に挨拶に立ったキャシー・マキハラ氏は、日系センターの概要を説明し、110種類以上もの言語が話されているというバーナビー市の民族の多様性の中において、日系文化が温かく迎えられていると述べた。また、今回の釧路市からの記念訪問団の訪問は、文化間の交流と友好関係に根差した将来のビジョンを反映するものであるとした。
次の50年の友好を目指して
日系センターからのギフトとして、リンダ・オハマ氏による版画「渡り鳥」が、マキハラ氏から蝦名市長へ渡された。この作品は日系カナダ人による版画シリーズの最終作品で、戦後補償の資金援助のために販売されたものであるという。そして、蝦名市長からは、釧路湿原焼の花瓶が送られた。丹頂鶴など釧路の自然を象徴するような風景が描かれている。
その後、訪問団はじめレセプションの出席者が、日系センター・博物館で展示中の民芸展や、バンクーバー朝日軍と日系人の歴史を説明した展示を観覧する時間が設けられた。式典の締めくくりは、ちび太鼓による太鼓の演奏。太鼓の周りを動き回って打ち鳴らしたり、大太鼓や桶胴太鼓などを駆使して、華やかなパフォーマンスを披露した。
この日は、朝から終日、バーナビー市と釧路市の姉妹都市提携50周年を祝う記念式典などが続いたが、日系センターでのレセプションもその1つ。タイトなスケジュールの中でも、蝦名市長はじめとする訪問団の人たちは、出席したバーナビー市市議会議員や日系コミュニティの人たちと親しく歓談し、交流を深めている様子だった。
釧路市からのギフト、釧路湿原焼を手に。キャシー・マキハラ氏(中央)と蝦名大也市長(右)
素晴らしい歌声を披露した、木田萌さん
迫力あるちび太鼓の演奏にも拍手喝さい
(取材 大島多紀子)