「バンクーバー音頭」の作曲者園田容子さん

平野弥生さん、高山宙丸さんとコンサート 「花の咲く場所」 開催

 

左から、作曲家であり演奏家の園田容子さん、舞踏家の平野弥生さん、詩人の高山宙丸さん

 

今年も出場!カナダパレード

 平野弥生さんが率いるバンクーバー音頭のメンバーが、ダウンタウンで行われるカナダデーパレードに参加するのは、今年で5回目。今年は約140人が参加した。そこで使われる音楽を作曲した園田容子さんに話を聞いた。

ー この曲を作ることになったきっかけは?

「以前、日本で弥生さんが、カナダの劇作家トムソン・ハイウェイさんの戯曲に出演された際、私が音楽を担当して知り合いました。その後しばらくして、カナダに移住した弥生さんから依頼を受けました」。

ー 曲を作る際のポイントは?

「日本を感じさせるような曲であり、またパレードに来ている方たちに楽しんでもらえるような曲を目指しました。演奏も、私がコンピュータで打ち込み作業をしました」。

ー 実際に使われている様子を見ての感想は?

「嬉しかったですね。音楽というのは記憶とつながっているので、この曲でパレードに参加した方たちが、音楽を聞いてその時のことを思い出してくれると思うと、思い出を共有しているようで、幸せに感じますね」。

 

異色のコラボが織りなす新しい芸術の形

ー6月26日と27日のコンサートの構成について

「舞台などで使われている私の曲を演奏したり歌ったりします。また、弥生さんの踊り、宙丸さんの詩の朗読と合わせたりという部分もあります」。

ーピアノとアコーディオンの演奏をされますね

「アコーディオンは人に愛される楽器ですよね。アコーディオンを弾いていることで舞台で使いたいと仰って頂いたりすることも多くて、私の人生はアコーディオンに助けられてますね(笑)」。

 コンサートでは、弥生さんが「遊びをせんとや生まれけむ」という歌と、園田さんの音楽に合わせて、老女と童女を踊り分けた。また、園田さんが演奏して高山さんが自身の詩を朗読するという場面もあった。コンサート前日、初めて顔を合わせたという園田さんと高山さん。稽古中、和やかでふんわりとした心地よい空気が流れていて、3人の人柄が表れているようだった。

 

園田容子さん

園田容子さん(写真 Noriko Tidball)

作曲家。 静岡県焼津市出身。 東京ヴォードヴィルショーを始めとする喜劇の舞台音楽や、演奏家からの楽曲委託、CM、映像などの分野で活動中。幼児音楽教育のための楽曲の企画制作、老人介護施設でのコンサート等も行っている。詩人・故さとうつた「おつたのうた」の楽曲制作は、良き昭和の時代の生活感あふれる曲集としてライフワークになっている。 茨城大学教育学部非常勤講師。

 

平野弥生さん

コンサートでのコスチュームと面をつけた平野弥生さん(写真 Noriko Tidball)

桐朋学園演劇科卒業。多くの海外公演を経て、2002年にバンクーバーに移住。専門のマイムに日本の伝統芸能を取り入れて、ユニークな公演を展開中。

 

高山宙丸(そらまる)さん

高山宙丸さん(写真 Yukiko Onley)

詩人。法政大学哲学科卒業。2007年より4年半、世界を放浪。2014年、第1詩集「月とブランコ」を刊行。2014年の春と秋には日本で詩の朗読ツアーを行い好評を得た。

(取材 大島多紀子)

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。