パシフィック・ウエスタン・ブルーイング社

小松和子社長

 

BCビジネスによる「BC州で最も影響力のある女性50人」が今月発表され、パシフィック・ウエスタン・ブルーイング社の小松和子社長がその一人に選ばれた。倒産の危機にあったBC州のビール醸造会社を再建した経営手腕と、積極的な地域社会への貢献で知られる小松氏は、まさに社会で活躍する女性のロールモデルだ。

 

小松和子氏近影 IMAGE BY ADAM BLASBERG

 

BC州で最も影響力のある女性50人

 BC州で広く読まれているビジネス誌「BCビジネス」は、多くの組織において女性が少数派である上、女性の活躍がメディアで十分に報道されていない状況を危惧し、BC州で影響力のある女性の選出に着手した。選ばれたのは、多様な分野で指導的役割を果たす女性50人だ。影響力の定義についてはさまざまな議論があるが、この50人がBC州で大きな影響力を持つ女性であることは間違いない。同リストには、BC州首相のクリスティ・クラーク氏や、サイモンフレーザー大学総長のアン・ジャルディーニ氏、YWCAメトロバンクーバーCEOのジャネット・オースティン氏など、錚々たる人物の名前が並ぶ。小松氏はその中で唯一、日本で生まれ育った女性だ。

 

BC州のブルワリーを成功に導いた女性

 日本で酒蔵の跡取りである父と、それを支えるしっかり者の母のもとに生まれ育った小松氏は、1970年代に単身渡加。起業家として、ニシンからログハウスまで、あらゆるものを日本に輸出していた。そしてドライビールの輸出に携わったことで、BC州プリンスジョージを拠点とするパシフィック・ウエスタン・ブルーイング(PWB)社と出会う。1957年に設立されたPWBは、中小企業にとって厳しいアルコール業界のビジネス環境に苦しみ、1991年には倒産の危機に瀕していた。会社の再建は明らかに困難だったが、どんな問題も挑戦だと捉える小松氏はPWBを買い取り、7代目の経営者となった。当時カナダのビール業界で、女性の経営者は小松氏一人だけ。多くの人が経営は失敗すると予想したが、小松氏は優れた経営手腕を発揮し、PWBを見事に建て直した。

 

品質を何よりも大切にしたビール造り

 PWBを再建する上で、小松氏が最も重視したのは品質の向上。特に日本市場に輸出するためには、日本の消費者を満足させられる品質のビールを生産しなければならない。小松氏は工場の機械整備に力を入れ、国際品質標準規格の認定に挑んだ。そして、北米のビール醸造会社の中で初の国際品質標準規格ISO9002を取得。さらに2003年には、最高国際品質基準のISO9001を取得した。近年は、まだ経験の浅い人材を雇うマイクロブルワリー(小規模醸造所)が増えているが、PWBの醸造責任者は、長年修行を積んだ経験豊かな人材だ。品質の高さと安定性には自信がある。それに加えて小松氏が大切にしているのは、革新的な精神。カナダで初めてオーガニック・ビールを造ったのもPWBだ。現在、PWBの製品は日本だけでなく、中国、ロシア、アルゼンチンなどにも輸出され、世界各地で多くの人々に親しまれている。 

 

(取材 船山祐衣)

 

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