宇都隆史外務大臣政務官
スティーブストン訪問
6月9日、参議院議員の宇都隆史(うとたかし)外務大臣政務官が、リッチモンド市のスティーブストンを訪問した。約3時間の滞在ながら、精力的に漁師移民の史跡をめぐった。在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏も同行し、スティーブストン在住のジム小島さんが案内した。
(左から)案内をしたジム小島さん、宇都隆史参議院大臣政務官、在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏
先達たちの開拓精神に大いに感銘
最初の視察場所は、BC州の漁業歴史館の「GULF OF GEORGIA CANNERY」。巨大なチョウザメやヒラメの模型、各種のサケの模型を展示。それらの漁法を日本人の先達たちが開発しBC州の漁業を拡大したこと、さらに、当時の缶詰工場の様子をそのままに残し、リアルに展示し、水産業の発展に寄与した歴史を視察した。
この後、ギャリーポイント・パーク内にある「工野儀兵衛ガーデン」に移動。ここは、127年前の1888年(明治21年)、工野儀兵衛さんがはじめて渡加しサケ漁を始めて100周年を記念し、和歌山県人会や多くの人々のドネーションによって造園され、リッチモンド市に寄贈した本格日本庭園。松の枝ぶりの剪定法などが見本にされていることなどをジム小島さんに聞き、日本文化の紹介がこうしたことでもなされていることに、宇都大臣政務官も感心しきりであった。
次は、最近オープンしたばかりの日系歴史ミュージアム(Nikkei Heritage Museum)。スティーブストン地区にゆかりの人々が移民した往時の生活用品などが、展示されている。そして、実際の当時の生活ぶりを実感できる「村上ハウス」に移動。ここは和歌山県三尾村出身の村上音吉・あさよ夫妻が暮らした往時のままの住宅。生活用品や、家具、キッチン用品などがそのまま展示されていて、往時の生活ぶりをリアルに体験できる。宇都大臣政務官はそのモダンな暮らしぶりに、「ここに住んで良いといわれれば、喜んで住みたくなるおしゃれなインテリアですね」と熱心に見ていた。
先達たちの霊前に 花をたむけて、感謝と 日系社会への貢献を誓う
最後は、「スティーブストン武道館」と「スティーブストン仏教会館」。武道館の広く、堂々たる木造建築の本格的な柔道場と剣道場には、宇都大臣政務官も驚きを隠せなかった。隣接するコミュニティセンターの日加文化センターにある日本語学校では、小学6年生クラスの国語の授業に先生として宇都大臣政務官も飛び入り参加。生徒の元気な返事や質問にタジタジの様子だった。
その後、仏教会館へ。宇都大臣政務官は、霊前に花をたむけて、「安部総理の思いでもある、さらなる日本の国際化に向け、海外へ移民しその地に根を張ってこられた方々のコミュニティとの絆をさらに深めていかなければならない。そのお役に貢献していきたい」とインタビューに答えていた。
初めて知ったサケの種類の多さや巨大魚に驚く
往時の缶詰工場のオートメーション設備がそのまま展示されている
「工野儀兵衛庭園」で・・・
「日系歴史ミュージアム」には往時の生活用品などが展示されている
「村上ハウス」のダイニングテーブルに座って感無量
堂々たる「スティーブストン武道館」の柔道道場
日本語学校の6年生教室の先生として飛び入り参加
「スティーブストン仏教会」の生田グラントさんの説明を聞く
「スティーブストン仏教会館」にて献花をして誓いもあらたに・・・
(取材 笹川守)