第44回グラッドストーン日本語学園 学芸会&卒業式
5月24日(日)に日系文化センター・博物館で開催された学芸会と卒業式。午前の部では2歳児から小学2年A組までの児童らが、卒業式をはさんで午後の部では、2年B組から高等科上級クラスまでの生徒たちがステージに立ち、日頃の日本語学習の成果を発表した。500席用意された観客席は、我が子の晴れ姿を見守る家族でいっぱいになった。この日のために一生懸命練習を重ね、緊張の面持ちでステージに立った児童・生徒らだったが、発表後は達成感に笑顔を輝かせた。
3歳児による『アンパンマン音頭』(写真提供 グラッドストーン日本語学園)
学芸会 ―午前の部―
午前の部は、1年生による『始めの言葉』で開会した。2歳児クラスの園児が保護者と一緒に壇上にならび、『大きなたいこ』を披露。愛らしい姿に観客は魅了された。そのあとは、『アンパンマン音頭』を3歳児が、日本で人気の『ようかいたいそう第一』を4歳児がポンポンを使用して遊戯した。5歳児は、景気よく『よさこいソーラン』を踊り、『たのしいね』を合奏。一年生は、『ゲラゲラポー走曲』で歌と踊りを披露。司会を務めた2年A組の児童が『おさるのかごや』で踊ったあと、幼稚園児と児童全員が『小さな世界』を手話付きで歌った。児童らの愛らしく健気な姿に会場は大盛り上がり。保護者からは、感動のあまりに涙があふれたという声も上がった。
2年A組『おさるのかごや』(写真提供 グラッドストーン日本語学園)
卒業式
午後一時からとりおこなわれた卒業式では、小学科25人、中学科17人、高等科10人の計52人が、村上陽子学園長から卒業証書を受け取った。中学科・高等科の卒業生はそれぞれ、卒業の言葉を発表。そのなかで、高等科卒業生のひとりは、「今まではグラッドストーン日本語学園を卒業するのが目的であったが、これからは、グラッドストーンの先生になるという新しい目標ができた」と未来への夢を語った。
続いて在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏が、祝辞のなかで、学園校歌の「日本の文化を学びつつ」という歌詞を引用し、日本の文化を学ぶことの大切さを述べた。村上学園長からは卒業生に向けて、学んだ日本語を人の役に立ててほしいという願いと、保護者への謝辞の言葉があった。 鮮やかな振袖やドレス、スーツなどに身を包んで節目の日を迎えた卒業生らは、一輪の花を胸に抱き、満場の拍手のなかを退場した。
東日本大震災復興応援ソング『花は咲く』を、学芸会・午後の部全員で大合唱
学芸会 ―午後の部―
学芸会・午後の部は、小学科2年B組より高等科上級クラスまでの発表。中学1年生が司会を担当、中学2年生・高等科初級クラスが裏方の仕事を受け持った。
皮切りは、2年B組の音読劇『お手紙』。3年生は『勇気100パーセント』を踊り、最後に帽子を投げるなど演出もユニークなものだった。4年生の『吉四六話』では『じっと見ていました』と『動くかかし』という2つの寸劇に挑戦。5年生は、日本で大流行の『ラッスンゴレライ』をグラッドストーンバージョンで披露。6年生は、『ことわざ』を使った寸劇を2人一組で発表した。そのあと、学園の学芸会では恒例ともいえる、中学3年、高等科初級・上級クラスの『ソーラン節』。迫力満点、威勢のよい姿に会場の手拍子にも熱がこもった。
最後は、東日本大震災復興応援ソング『花は咲く』。この歌は、昨年度の学芸会での様子がNHKの「100万人の花は咲く―世界で花は咲く―」のウエブサイトでも公開されており、今年度も午後の部に参加した生徒が全員で大合唱。生徒らの心のこもった歌声に、会場にも大輪の花が咲いたようだった。
卒業生全員で(写真提供 グラッドストーン日本語学園)
(取材 編集部)