日系センター春祭り

 

4月18日、バーナビー市の日系センターで、恒例の春祭りが開催された。このイベントは、日本の文化を紹介するだけでなく、他国のコミュニティとも提携し、マルチカルチュアルな内容となっているのが特徴。今年は、スカンジナビアン・コミュニティ・センターの協力を得て、その文化や芸能を紹介していた。

 

 キッズクラフトコーナーでは、家族連れが鯉のぼりや兜を作る姿が

 

華やかな春のお祭り

 午前11時、スコーミッシュ族のサム・ジョージさんによる祝福の歌で幕を開けた。イベントホールのステージでは、終日さまざまなパフォーマンスが行われた他、多種多様なベンダーや催し物が来場者を楽しませた。

 スカンジナビアン・コミュニティ・センターは、伝統的な木の工芸品やノルディック柄のセーターの展示や、スカンジナビア諸国の紹介を行うテーブルを出していた。ステージでは、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーのフォークダンスと、伝統音楽のパフォーマンスを披露。ダンサーたちがステージを下りて、観客も引き入れて一緒に踊る場面もあり、誘われた人たちは少し恥ずかしそうにしながらも楽しそうに参加していた。また、ステージ以外でも民族衣装に身を包んだダンサーやミュージシャンたちが、イベント会場内を歩いている姿が見られ、多文化的なイベントの様相を深めていた。

 

書道の体験ができるコーナーでは、みんな一生懸命取り組んでいた

 

淡交会による茶道。丁寧な説明を加えながら進めてくれるので初心者も楽しめる内容に

 

日本の文化紹介に多くの人が関心

 ロビーでは、裏千家淡交会による茶道のコーナーが用意され、にぎやかなイベント会場の一画で静寂なひと時を体験する機会を提供。本格的な茶道を、気軽に体験できるとあって人気を博していた。和風小物、ジュエリー、和紙、ミニ盆栽、スイーツなどのベンダーにもたくさんの人たちが訪れていた。青空の下、屋外のフードベンダーも盛況、ガーデンでくつろぐ人も多勢見受けられた。また、日系センターが提供するさくら弁当も、今年も大人気だった。

 建物2階では、BC州指圧協会による指圧の施術が行われていた。指圧協会では、この日の売り上げの一部を、東日本大震災被災者への寄付にあてるという。また、日本舞踊の彩月会が主催した着物着付け体験では、和装に合わせたヘアとメイクアップから着付けまで、と本格的な着物体験ができ好評だった。華やいだ振袖を着た若い女性に、周りから感嘆の声が上がったり、家族全員で着物を着て記念写真を撮るなど、普段なかなかできない体験にみな心を躍らせている様子だった。

 春の祝いのイベントにぴったりな晴れ渡った一日、訪れた人たちがのびのびと楽しんでいる姿が印象的だった。

 

彩月会による着物の着付け。「とても楽しい!」と体験者からのわくわくした声が聞かれた

 

スカンジナビアの民族音楽を演奏するVancouver Spelmanslagというグループのみなさん

 

(取材 大島多紀子)

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